どうして汗は臭いのか?汗のにおいの原因と対処法
作成日:2022年4月6日
こんにちは!宅食ライフのコラム担当です!
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ポカポカと気持ちのいい季節になると、汗ばむような日も増えてきます。
汗をかいたときに気になるのが汗のにおいですが、出たばかりの汗ににおいはないといわれています。
ではどうして汗はにおうのでしょうか。
目次
汗とは
汗をかくことは、人の体温調調節に欠かせない機能です。
進化の過程で、汗をかくことで効率よく体の熱を外に逃がす仕組みが発達し、長時間運動することができるようになりました。
汗の役割
人を含めた動物は一般的に、過度に体温が上昇すると脳がダメージを受けて動けなくなります。
人は進化の過程で汗をかくことで体温を調節する仕組みを身につけ、体毛が退化しました。
人が狩猟のために長時間動物を追いかけても体温は上昇しませんが、獲物となる動物は体温が上昇して動きが鈍くなります。
これによって確実に獲物をしとめ、体や脳の発達に必須であるタンパク源を確保できたと考えられています。
汗には体温調節以外にも、皮膚の表面を弱酸性に保ち細菌の繁殖を抑制したり皮膚を保湿する役割や、手のひらや足の裏の発汗には滑り止めの役割もあると考えられています。
汗腺の種類
汗が出る汗腺には2種類あり、それぞれの仕組みや汗の性質が異なります。
・エクリン腺
全身のほとんどに分布していて、独立して皮膚の表面に開口しています。
主に体温調節のために汗を出し、エクリン腺から出る汗はpH4~6の弱酸性、透明でほぼ無臭です。
・アポクリン腺
わきの下や乳頭、下腹部、外耳道、尾翼、肛門周辺など限られた部分にあり、毛根に開口しています。
アポクリン腺から出る汗はpH6.7~6.9と中世に近く、白く濁っていますがもともとにおいはほとんどありません。
脂質やタンパク質など、においのもととなる成分を含んでおり、微生物などの作用を受けやすいため、においが発生しやすいと考えられています。
汗のにおいの原因
汗に含まれる皮脂や老廃物、ミネラルなどが、皮膚表面や毛穴に存在する皮膚常在菌の作用によって分解されることがにおいの原因となります。
汗は血液から赤血球や血小板などの成分を取り除いた血漿から作られますが、血漿にはナトリウムなどのミネラルが含まれているため、皮膚表面に出るまでにミネラルが再吸収されて体外に排出されます。
ミネラル分が十分に再吸収された汗は薄くて水に近く、皮膚の表面で蒸発しやすい汗です。再吸収が不十分な汗はミネラルの濃度が高く蒸発しにくいため、体温を調節するには効率が悪く、余計な成分が含まれるので嫌なにおいが発生しやすくなります。
ミネラル分が少ないサラサラな汗は「良い汗」、ミネラル分の再吸収が不十分なベトベトした汗は「悪い汗」といえます。
汗っかきと多汗症
汗を出す汗腺は全身にありますが、その数や分布には大きな個人差があります。
汗腺の数は幼少期に決定し、成長後も数は変わりません。また幼少期の環境によっても汗腺の数は変化すると考えられています。
暑い場所にいるときや運動をしているとき、辛い物を食べたときなどに汗をかくのは生理現象であり、汗の量には個人差があります。
また汗のかきやすさには遺伝的要素があることもわかっています。
しかし、汗をかく要素がないのに常に汗をかいていたり、紙に触れると汗で濡れてしまったり、突然流れるほどの汗が出るなど、日常生活に支障があるほどの発汗がある場合は多汗症の可能性もあります。
ホルモンや神経の異常など別の病気が原因となっていることもあるので、汗によって生活に支障が生じている場合には、医療機関を受診してみましょう。
汗のにおい対策
気になる汗のにおいを軽減するための対策をご紹介します。
汗をかいたらすぐに拭く
汗をかいてから約1時間経つとにおいが発生し始めます。
汗をかいたら1時間以内に拭きとることで汗のにおいを防ぐことができます。
汗を拭くときは濡れたタオルや汗拭きシートなど、濡れたものを使いましょう。
乾いたもので拭くと水分は拭きとれますが、においの成分が皮膚表面に残ってしまう可能性があります。
衣類も綿や麻など汗が蒸発しやすく、通気性に優れた素材のものを選ぶと、汗が蒸発しやすく体温が下がりやすくなります。
起床後にシャワーを浴びる
個人差はありますが、人は寝ている間にも約350mlの汗をかくといわれています。
起床後、短時間でもシャワーを浴びると寝ている間にかいた汗や皮脂を洗い流すことができるので、汗のにおいを抑えることができます。
汗腺の機能を鍛える
通常汗腺は、汗のもとに含まれるミネラルを再吸収して排泄するため、限りなく水分だけに近くなって排出されますが、汗をかく習慣が少ないと汗腺のミネラルを再吸収する機能が衰えて、ミネラルを含んだ汗が排出されます。
ミネラルを含んだ汗が皮膚常在菌と作用することでにおいが発生するため、汗腺の働きを活性化することで汗のにおいを抑えることができる可能性があります。
適度な運動習慣やぬるめのお湯で半身浴をするなど、日常的に汗をかく習慣を作ると、汗腺の働きが活性化するといわれています。
制汗剤を使い分ける
制汗剤にはいろいろな種類の商品があります。適切に使うことで効率よく汗のにおいを抑えることができます。
アルコールなど、配合されている成分によっては肌に合わないこともあるので、赤みがでたり刺激を感じた場合は使用を中止し、皮膚科を受診しましょう。
・汗拭きシート
汗をかいたらすぐに拭きとることは、においを抑えるために有効です。
抗菌・殺菌などの有効成分が配合されているものもあり、汗を拭きとるだけでにおいが気にならなくなる場合もあります。
パウダー入りのものや保湿成分の入ったものなどもあります。
・制汗剤
制汗剤は発汗を抑え、出た汗を吸着してにおいを防ぎます。
基本的には汗をかく前に使用するのが効果的です。
制汗剤にはスプレーやクリーム、スティックなど、いくつかの形状がありますが、目的とされる効果は同じなので、使いやすさで選ぶとよいでしょう。
シャワーのあとや汗拭きシートで汗を拭いた後に制汗剤を使用するのが効果的な使い方です。
汗のにおいと関係する食べ物
動物性脂肪や酸化した油脂、アルコールやニンニク、激辛食品などによって、汗のにおいが強くなる可能性があるといわれています。
また動物性に偏った過度なタンパク質の摂取も汗や体臭を強くする要因のひとつといわれます。
バターの代わりにオリーブオイルを使ったり、肉類を控えて大豆や大豆製品を摂るなど工夫をしましょう。
抗酸化作用のある食品は汗のにおいを軽減する効果が期待できるといわれます。野菜類や緑茶などは積極的に摂るとよいでしょう。
また腸内環境を整えることは有害な成分を効率よく体外に排出し、汗のにおいを抑制する効果も期待できると考えられます。
発酵食品や食物繊維、オリゴ糖など腸内環境を整える効果のある食品も積極的に摂取しましょう。
ストレスをためない
精神的なストレスや疲れによって血中のアンモニア濃度が高くなり、汗のにおいの原因となることがあるといわれます。
日ごろから十分な休養と、上手なストレス解消をこころがけましょう。
まとめ
汗はもともと無臭ですが、汗に含まれるミネラル分や皮膚表面の皮脂などが皮膚常在菌の作用を受けてにおいを発生します。
汗にはミネラル分が少ない良い汗と、ミネラルが多く残っている悪い汗がありますが、日常的に汗をかく習慣を持つことで汗腺の働きが活性化して、良い汗がかけるようになります。
汗はすぐに拭くだけでもにおいを抑えることができます。
汗拭きシートや制汗剤などを上手に使って対策をしましょう。
食事の内容も汗のにおいに影響すると考えられており、動物性食品、特に脂の多い肉に偏った食事は、汗のにおいに悪影響があるともいわれます。
できるだけ多くの食品を摂り栄養のバランスに気をつけることで、汗のにおいを軽減できるかもしれません。
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