余分な水分を除去して血液を綺麗に!血液透析について
作成日:2022年2月24日
こんにちは!宅食ライフのコラム担当です!
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血液透析とは、腎機能が低下した場合に腎臓の代わりに血液中の老廃物や、不要な水分を除去して血液を綺麗にする透析療法の1つです。
血液透析が必要となる原因の多くは糖尿病の合併症による糖尿病性腎症であり、年々血液透析を行っている患者は緩やかではありますが増え続けています。
このページでは血液透析について解説します。
血液透析とはどんな方法?
透析療法には、血液透析と腹膜透析の2種類あります。血液透析とは、手首の動脈と静脈を繋ぐ手術を行って「内シャント」を人工的に作り、そこから針を刺して機械に血液を流して毒素や余分な水分を取り除く透析療法です。針は血液を抜く側(脱血)と返す側(返血)の2か所に刺します。血液透析は病院やクリニックに通って行うのが一般的です。標準的な血液透析のスケジュールは週3回、1回4時間程度であり、患者は透析中腕を動かさないようにベッド上で過ごします。
腹膜透析は、いわゆる人工腎臓と呼ばれる機械ではなく、自分の腹膜を使って毒素や余分な水分を除去する透析療法です。
腹膜透析は、お腹にカテーテルと呼ばれる管を挿入する手術を行い、カテーテルを通して透析液を注入して行います。
主義を覚えて、毎日自分で透析液を交換する必要はありますが、血液透析に比べて身体への負担が少なく、自宅で行えるという特徴があります。
腹膜透析をしている方は、全透析患者の3%程度です。
透析療法はまず、腹膜透析から始め、できるだけ腎機能を保つことを目標として治療が行われていきます。
その後、腎機能が衰えてきたら腹膜透析に血液透析が組み合わせられ、状態に応じて完全に血液透析に移行することもあります。
2019年末におけるわが国の透析患者の総数は、34万4,640人で前年よりも1.4%増えています。
人工透析が必要になる原疾患のうち、最も多いのは糖尿病性腎症、2位は慢性糸球体腎炎、3位は腎硬化症です。
日本で血液透析を受けられる医療機関は全国に4,000施設以上あります。
『在宅血液透析』について
一般的に病院や診療所で行われる透析は、4時間週3回が標準的で、透析のスケジュールに合わせて自分の生活スタイルを決めなければなりません。
しかし、実際は週3回4時間の計12時間の透析だけでは毒素や余分な水分の除去が不十分だと言われています。
海外では、夜間睡眠時に長時間の透析を行っている場合において、血液透析に伴う痒みや血圧低下などの副作用が減少し生命予後の改善に効果が期待できることが明らかになっています。
在宅で血液透析を行うためには介助者や十分なトレーニングが必要ですが、導入すると自分のライフスタイルに合わせて血液透析を行うことができ、QOL(生活の質)の向上が見込まれます。
詳しくは日本在宅血液透析学会のHPをご覧ください。
参考:日本在宅血液透析学会(https://www.jshhd.jp/)
血液透析の注意点について
食事療法
・バランスの良い食事でエネルギーを十分に摂る
食事は、炭水化物60%、脂質20%、たんぱく質20%のバランスで必要なエネルギーを摂取することが大切です。
エネルギーの摂取が不足してしまうと、筋肉を分解してエネルギー源としてしまうため、筋力が低下することになります。
目標エネルギー量に満たないときは、たんぱく質量やエネルギー量が調整されたクッキー、ゼリー、飲料などの治療用特殊食品を取り入れると良いでしょう。
・カリウムの制限
カリウムは果物や野菜、海藻類に多く含まれていて、神経の伝達や筋肉の働きに関与しています。
腎臓の働きが落ちると、ナトリウム同様にカリウムを代謝する機能も低下するため血液中のカリウム濃度が高くなり高カリウム血症となることがあります。
高カリウム血症は吐き気や嘔吐、しびれや脱力感などの神経症状、不整脈などを起こす原因となり、重度になると命に関わる不整脈を起こすことがあるため注意が必要です。
・リンの制限
血液中にリンが増加すると、カルシウムイオンと結合してリン酸カルシウムとなり、動脈硬化を悪化させ脳梗塞や心筋梗塞のリスクが高まったり、末梢循環障害を起こしたりします。
たんぱく質の1%にはリンが含まれているため、基本的にはたんぱく質の摂取量を守っていればリンを摂り過ぎることはありません。
ただし、乳製品や卵黄、レバー、小魚、缶詰、加工肉、豆類などにはリンが多く含まれているため、食べ過ぎには注意しましょう。
・水分と塩分の制限
塩分の摂り過ぎはむくみや高血圧の原因となり、心臓に負担がかかります。
また、塩分の過剰摂取は喉が渇き、水分を摂りたくなる原因にもなります。
しかし、腎臓の機能が弱っていると飲んだ水を尿として身体の外に排出しにくくなり、身体に溜まっていくため、水分量も決められた量を守る必要があります。
シャントを守る
・シャント側の腕に負担をかけない
日常生活でシャント側の腕に負担をかけないよう注意する必要があります。
気を付けることは、寝る時にシャント側の腕を身体の下にしない、シャントが物に強くぶつからないようにする、シャント側の腕に腕時計をしない、シャント側の腕で重い物を持たない、血圧を測らないなどがあります。
・透析日は湯船につからない
血液透析はシャントに針を刺して行うため、透析をした日に湯船に浸かると針跡から細菌が感染するおそれがあります。
・シャントは毎日観察する
毎日シャントに腫れや赤みがないか観察し、朝と夕の2回は耳を近づけて血液が流れる音が聞こえるか確認しましょう。
正常なシャントからは、心臓の拍動に合わせてゴーゴーという低い音が聞こえます。
適度に運動する
透析に慣れてきたら、体力や筋力の低下を予防するため、できる範囲で身体を動かすようにします。
運動や体操のメニューは主治医と相談し、無理をしないようにしましょう。
排便の習慣をつける
透析を行うと身体の水分が除去されるため便が硬くなり、便秘になりやすくなります。
カリウム制限のため十分な量の食物繊維を野菜から補えないため、主治医に相談して下剤の処方を検討してもらいましょう。
体重管理
透析を開始すると、透析前に身体に溜め込んでいた水が除水され、その分体重が軽くなります。
そして次の透析日までに身体に水分が溜まっていき、体重が増えるのです。
この増えた分を透析で除水するため、あまり体重が増えすぎてしまうと除水量が増え、急な血圧低下が起こり透析の継続が困難になることもあります。
よって体重は毎日測定し、体重増加が多い時は水分を溜め込む原因となる塩分の摂取を控える必要があります。
血液透析についてのまとめ
血液透析が必要となる原疾患の第1位は糖尿病性腎症です。糖尿病性腎症の発症を予防するためには糖尿病の発症・悪化の予防が大切となります。
糖尿病の予防の基本は適切なエネルギー摂取量を守った栄養バランスの良い食事です。
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