肺炎について 冬の脅威!?
作成日:2021年12月28日
こんにちは!宅食ライフのコラム担当です!
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冬は免疫力が低下しやすく、感染症が流行しやすい環境になるため肺炎の罹患率が上昇する傾向があります。
特に高齢者が肺炎にかかると急激に症状が悪化する可能性があります。ここでは、肺炎の原因や治療、予防法などについて解説します。
目次
冬は肺炎にかかる人が多い
冬は気温と湿度が低くなるため、人間の身体にとって免疫力が落ちやすい季節です。
体温が1℃低下すると免疫力は30%低下すると言われており、さらに冬は水分の摂取量が低下することか気道の防御機能がうまく働かなくなり、病原体が侵入しやすくなります。
高齢者の場合は、飲食物や唾液が気管に流れ込むことで生じる「誤嚥性肺炎」が多いですが、冬は肺炎の病原菌の1つであるウイルスにとって快適な条件が揃っており、インフルエンザや風邪の合併症による肺炎の罹患率が上昇する傾向があります。
肺炎の怖さは、治療しても一度肺炎にかかった肺は元通りにならない可能性があることです。
また、高齢者が肺炎にかかると体力が低下するため繰り返し肺炎にかかりやすくなることもあります。
肺炎の種類と主な原因
細菌性肺炎 | 肺炎球菌、黄色ブドウ球菌、レジオネラ菌、緑膿菌など |
非定型肺炎 | マイコプラズマ、クラミジアなどの微生物 |
ウイルス性肺炎 | インフルエンザウイルス、新型コロナウイルス、麻疹ウイルスなど |
肺炎の主な症状は、痰の絡んだ咳や呼吸困難、発熱、胸痛などです。肺炎を引き起こす原因として一番多いのは肺炎球菌で、全体の約3割を占めています。
肺炎球菌は日本人の約3~5%の高齢者の鼻や喉の奥に常在しているとされます。
健康で体力のある状態であれば肺炎球菌による感染症を引き起こすことはあまりありませんが、免疫力の低い幼児や高齢者、基礎疾患がある方などは感染しやすくなります。
感染経路はくしゃみや咳などの飛沫感染や接触感染であり、肺炎球菌はインフルエンザによって免疫力が弱くなった時に合併して肺炎を起こす菌の中で最も多いという特徴があります。
肺炎球菌感染症の発症リスクが高い危険因子
危険因子があると重症化するリスクも高くなります。
・基礎疾患がある(脳梗塞、心疾患、呼吸器疾患、肝疾患、慢性腎臓病、リウマチ、自己免疫疾患、糖尿病など)
・アルコール依存症
・免疫機能を低下させる病気(HIV感染症など)
・長期療養施設での生活
・喫煙 など
風邪と肺炎の違いは?
肺炎の初期の症状は風邪と似ているため見分けるのは難しいですが、風邪と肺炎は異なる病気です。
風邪は風邪ウイルスによる上気道の炎症であることに対し、肺炎は肺胞という部分に炎症が起こります。
肺胞は酸素を取り込んで二酸化炭素を吐き出すガス交換を行っている組織であるため、肺胞に炎症が起こると息苦しさや呼吸困難に至ることがあります。
また、肺炎は風邪と異なり、急激に重症化して死に到る場合もあります。
肺炎では黄色~緑色や鉄さび色の痰が出たり、全身のだるさや発熱が長く続いたりなどといった症状がありますが、高齢者の肺炎ではこれらの症状があまりみられず、気付かないうちに症状が進行することがあります。
風邪のような症状があり、元気がない、いつもと違う症状が長引くなどといった場合には早めに医療機関を受診するようにしましょう。
肺炎の治療法は?
肺炎は早めに治療を開始すればほとんどが軽快しますが、慢性化・重症化した場合は治療が長引くことがあります。
一般的な肺炎の場合は抗生剤や抗ウイルス薬の内服または点滴をして病原体の繁殖を抑えます。
軽症の場合は自宅で薬を服用しますが、重症の場合は入院して薬や水分を点滴で補給したり、酸素を投与したりすることもあります。
また咳や発熱などの症状に対しては対症療法といって症状を和らげるための薬を使用します。
肺炎の症状が治まった場合でも、薬医師から処方された薬は飲み切る必要があります。症状が無くても体内に病原菌が残っていることがあり、再発する可能性があるためです。
自己判断で治療を中断してしまうと、細菌やウイルスが薬に対して耐性を持ち、薬が効かなくなってしまうこともあります。
感染による肺炎の予防
・ワクチンを接種する。
肺炎球菌はワクチンを接種することが予防に効果的であり、重症化しやすい乳幼児や65歳以上の高齢者、基礎疾患がある方などに推奨されています。
成人の肺炎球菌ワクチンの接種にかかる費用はお住いの自治体や医療機関によって異なるため、お住いの自治体へご確認ください。
また、インフルエンザに罹患して気道内膜が損傷すると、肺炎球菌などの細菌が感染しやすくなり、肺炎を合併することがあります。
そのため、インフルエンザワクチンの接種を併せて行うことでさらに肺炎予防に繋がります。
インフルエンザワクチンの効果と持続期間には個人差がありますが、一般的には接種2週間頃から5か月間程度は効果が持続するとされています。
流行する時期の2~3週間前までにワクチン接種を終えるのが望ましいと考えられます。
・手洗い、消毒を行う。
帰宅時や調理の前後、食事前などこまめな手洗いを心がけ、手についたウイルスや細菌を洗い流しましょう。
・室温、湿度を保つ。
室温は22~26℃を目安にし、体温調節が難しい高齢者は特に保温に努めるようにしましょう。
また、冬は空気が乾燥しやすくなるため、加湿器を利用するなどして湿度は50~60%程度を保つようにしましょう。
・水分をこまめに摂る。
喉や鼻には繊毛というウイルスや菌を排出する役割をする組織があります。冬は乾燥し、水分摂取量が低下しがちです。
すると、繊毛も乾燥してしまい、繊毛運動が鈍くなることで体内へ病原菌が侵入しやすくなります。繊毛の乾燥を防ぐためにはこまめな水分補給が必要です。
喉の渇きを自覚していなくても、1日に2Lの水分を接種することを心がけましょう。
・外出時はマスクをする。
健康な人がマスクを着用してもウイルスの吸入を完全に予防できるわけではありませんが、喉や鼻の乾燥を防ぐ効果が期待できます。
咳をしている人の場合は、ウイルスの拡散をある程度防ぐ効果があります。
・規則正しい生活をし、栄養バランス良く食べる。
睡眠不足は免疫力が低下する原因になります。十分な休養をとり、3食栄養バランスの良い食事を摂るようにしましょう。
・人混みへの外出を控える。
特に子どもや高齢者、妊婦、基礎疾患がある場合など重症化リスクが高い方は、インフルエンザの流行シーズンはなるべく人混みを避けるようにしましょう。
『肺炎』についてのまとめ
肺炎は1年を通して罹患する病気ですが、冬は免疫力が低下しやすくなるため、特に高齢者や基礎疾患がある方は注意する必要があります。
肺炎の発症や重症化を防ぐには、規則正しい生活や、毎日栄養バランスの良い食事を摂り、免疫力を高めることが大切です。
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参考:厚生労働省 肺炎球菌感染症
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/haienkyukin/index_1.html