予防法や治療法など 老人性皮膚掻痒症について
作成日:2022年1月30日
こんにちは!宅食ライフのコラム担当です!
栄養バランスのよい食事をとりたい方へ、お弁当の無料試食はこちらから!
老人性皮膚掻痒症とは皮膚の乾燥により皮膚が痒くなる疾患で、50代以上の男性に多く発症します。
痒いからといって皮膚を掻き続けてしまうと悪化してしまうこともあるため、正しい対処法をとることが大切です。
このページでは老人性皮膚掻痒症の治療法や食事療法などについて解説します。
目次
老人性皮膚掻痒症とは?
加齢とともに皮膚の一番外側の層である角質層の水分が失われたり、水分の蒸発を防ぐ皮脂の分泌が減ったりすることで、肌が乾燥しやすくなります。
肌が乾燥すると、外部からの刺激を受けやすい状態となり、少しの刺激でも痒みが起こります。
このような状態になると、皮膚を掻いた刺激によって肌が傷ついて湿疹ができてさらに症状が悪化する、という負のスパイラルに陥ります。
特に秋から冬にかけては気温とともに湿度が低下するため、皮膚がより乾燥しやすく痒みに悩まされる高齢者が少なくありません。
老人性皮膚掻痒症の特徴
・50代以上の男性に多い。
・痒みの原因に思い当たることがない(アレルギー、肝臓疾患、腎臓疾患など)
・肌がカサカサと乾燥し、白っぽい。
・夜になると痒みが増強する。
老人性皮膚掻痒症の治療法とは?
老人性皮膚掻痒症の治療には保湿剤が使われます。
保湿剤には様々な種類があるため、それぞれの特徴を理解して使い分けることでより効果的に保湿することができます。
・ローション、クリームタイプ
ヘパリン類似物質や尿素、セラミドなどを含みます。乾燥した皮膚に塗ることで肌に水分を補給する効果があります。
べたつきにくく、さらっとした使用感である一方で保湿持続時間は短いため、こまめに塗る必要があります。
・オイル、軟膏タイプ
オイルや白色ワセリンがこれにあたります。水分を補給する効果はなく、入浴後など肌に水分が豊富な時に塗ることで水分の蒸発を防ぐ効果があります。
保湿持続時間は長いですが、使用感はべとべとしています。
このほかにも痒みが強い場合には漢方薬や抗ヒスタミン薬などの痒み止め、湿疹がある場合にはステロイドの塗り薬など症状によって治療薬が処方されます。
痒みの軽減に効果的な方法とは?
・痒い部分を刺激しない。
痒みのある部位を掻いたり触ったりしてしまうと余計に症状が悪化します。なるべく触らないように心がけましょう。
また、ウールやナイロンといった素材や、締め付けが強い衣服は肌を刺激します。
肌に刺激が少ない木綿性などの素材で締め付けの少ない衣服を選びましょう。衣服の内側にあるタグにも注意が必要です。
気になる場合は切り取っておきましょう。
・湯船に浸かる時は40度以下にする。
お湯の温度が熱いと皮膚が乾燥しやすくなります。湯船に浸かる時は40度以下で、20分以内とするようにしましょう。
入浴後の乾燥を防ぐには、保湿効果のある入浴剤の使用もおすすめです。
・身体は保湿効果のある洗浄剤を使い、タオルで洗う。
あかすりやナイロンタオルでごしごしと身体を擦ったり、洗浄力の強い洗浄剤で身体を洗ったりしてしまうと、必要な皮脂まで取り除かれてしまい、皮膚が乾燥しやすくなります。
身体を洗う時は、柔らかいタオルで皮膚に優しい成分で保湿効果の高い洗浄剤をよく泡立てて撫でるように洗いましょう。
・こまめに保湿する
肌の乾燥は痒みの原因となります。保湿効果の高い医療用の保湿クリームなどを使って保湿ケアは毎日こまめに行いましょう。
入浴後は肌が乾燥しやすいため20分以内に保湿するようにしましょう。
・湿度を55~65%程度に保つ。
冬は気温とともに湿度も低下するため、肌が乾燥しやすくなります。
加湿器を使って適切な湿度を維持することで肌の乾燥を防ぎ、痒みを軽減することができます。
・保温効果のある電化製品を多用しない。
電気毛布や電気カーペット、こたつなどの電化製品は温めると同時に皮膚から水分を奪ってしまい、痒みのもととなります。
使用する時間や頻度を減らすか、使用後は保湿を心がけるようにしましょう。
肌の乾燥を予防する食事療法は?
・3食栄養バランス良く摂取する。
肌の乾燥を予防し、健やかな肌を維持するためには栄養バランスの良い食事を1日3食摂取することが基本です。
数ある栄養素の中でも、肌の乾燥予防に効果的な栄養素はたんぱく質やビタミン、必須脂肪酸です。
【たんぱく質】
たんぱく質は肌の保湿成分の原料となります。肉類や魚、卵、大豆、大豆製品や牛乳、乳製品などに多く含まれます。
<たんぱく質の食事摂取基準(g/日)>
性別 | 男性 | 女性 | ||||
年齢 | 推定平均必要量 | 推奨量 | 目標量
(%エネルギー) |
推定平均必要量 | 推奨量 | 目標量
(%エネルギー) |
30~49 | 50 | 65 | 13~20 | 40 | 50 | 13~20 |
50~64 | 50 | 65 | 14~20 | 40 | 50 | 14~20 |
65~74 | 50 | 60 | 15~20 | 40 | 50 | 15~20 |
75以上 | 50 | 60 | 15~20 | 40 | 50 | 15~20 |
【ビタミン類】
ビタミン類は肌の代謝を促し、潤いを保つ働きがあります。特にビタミンCとビタミンAはその効果が高いため積極的に摂取すると良いでしょう。
ビタミンCは多量に摂っても余剰になった分は尿として排出されてしまうため、毎日摂取することが大切です。
<ビタミンCが多く含まれる食材>
食品名 | 目安量 | 目安量あたりの含有量(mg) |
オレンジ | 80g | 48 |
いちご | 75g | 46.5 |
パイナップル | 160g | 43.2 |
キウイフルーツ | 60g | 41.4 |
赤ピーマン | 20g | 34 |
カリフラワー | 40g | 32.4 |
黄ピーマン | 20g | 30 |
グレープフルーツ | 80g | 28.8 |
かぼちゃ | 60g | 25.8 |
<ビタミンAが多く含まれる食材>
食品名 | 目安量 | 目安量あたりの含有量(μg) |
鶏レバー | 30g | 4200 |
豚レバー | 30g | 3900 |
あんこうの肝 | 20g | 1660 |
うなぎの蒲焼 | 100g | 1500 |
銀だら | 80g | 880 |
ほたるいか | 30g | 450 |
もろへいや | 50g | 400 |
にんじん | 50g | 360 |
参考:栄養andカロリー計算
https://www.eiyoukeisan.com/calorie/nut_list/retinol_deal.html
【必須脂肪酸】
必須脂肪酸とは身体では合成できない脂質のことです。
必須脂肪酸は肌の水分保持力の8割を担う細胞間脂質の材料でもあることから、不足すると肌は乾燥しやすくなります。
必須脂肪酸にはオメガ3系脂肪酸のα-リノレン酸と、オメガ6系脂肪酸のリノール酸やアラキドン酸などがあります。
これらはアマニ油やえごま油、コーン油や大豆油などの油脂類で摂取することができます。
性別 | 男性 | |||||
年齢 | 18-29歳 | 30-49歳 | 50-64歳 | 65-74歳 | 75歳以上 | |
脂質 (エネルギー比率) |
目標量 | 20% 以上 30% 未満 | ||||
飽和脂肪酸 (エネルギー比率) |
目標量 | 7%以下 | ||||
n-6系脂肪酸 (g/日) |
目安量 | 11g | 10 g | 9 g | 8 g | |
2.0 g | 2.2 g | 2.1 g |
性別 | 女性 | ||||||
年齢 | 18-29歳 | 30-49歳 | 50-64歳 | 65-74歳 | 75歳以上 | ||
脂質 (エネルギー比率) |
目標量 | 20% 以上 30% 未満 | |||||
飽和脂肪酸 (エネルギー比率) |
目標量 | 7%以下 | |||||
n-6系脂肪酸 (g/日) |
目安量 | 8g | 7 g | ||||
n-3系脂肪酸 (g/日) |
目安量 | 1.6 g | 1.9 g | 2.0g | 1.8 g |
参考:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/eiyou/syokuji_kijyun.html
・刺激物を控える。
カフェインが含まれる飲み物やアルコール類、香辛料が多く入った食べ物などの刺激物は人によっては痒みの原因となることがあります。
肌が敏感な時はなるべく刺激物をとらないようにしましょう。
老人性皮膚掻痒症のまとめ
乾燥から肌を守り、痒みを軽減するためにはこまめな保湿が大切です。
また、身体の内側からアプローチするために、毎日栄養バランスの良い食事を心がけ、たんぱく質や、ビタミン類、必須脂肪酸など肌に良い栄養素を積極的に摂取するようにしましょう。
栄養バランスの良い食事を毎日作るのは大変、という方には高齢者向け弁当の宅配サービスがおすすめです。
「宅食ライフ」では前日までのご注文で、自宅に栄養士が献立を考えたお弁当を届けます。
一般の高齢者に向けたお弁当だけではなく食事制限がある方への対応や、摂食機能によって食事の形態を変更するなど、一人ひとりの事情に合わせて届けてもらうことも可能です。
この機会に是非無料試食サービスをお試しください。