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冷え性のタイプや予防・改善方法

作成日:2021年12月28日

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冷え性のタイプや予防・改善方法

冷え性は女性に多い症状のひとつで、成人女性の半数以上の人が、「冷え」の悩みがあるという調査結果もあります。

近年では男性の冷え性も増加傾向にあるといわれています。冬は冷え性の人にとってつらい季節です。冷え性と、冬の寒さを乗り切る対策について考えてみましょう。

冷え性とはどんな症状?

冷え性は血流が悪くなることで生じる症状のひとつです。

「冷え性」と「冷え症」、2つの表記があり、明確な使い分けはされていないようですが、一般的には「症」の字があてられると病名として扱われることが多くなります。

西洋医学では「体が冷えること」を疾患としてではなく、体質として扱うため「冷え性」と表記されることが多く、東洋医学では体が冷えることで生じる症状は、治療が必要な疾患として扱うため「冷え症」と表記されるようです。

<冷え性の原因と女性に多い理由>

冷え性が女性に多いのは、女性の体の特徴や仕組みも大きく影響しています。

・筋肉量

筋肉は熱を生み出す器官であり、体を温めます。また筋肉の伸縮によって血液を送り出し、体に血液を循環させて体を温めます。

女性はもともと男性と比べて脂肪がつきやすく、筋肉量が少ないことで体が冷えやすいといえます。

皮下脂肪は保温の効果もありますが、一度冷えると温まりにくい性質があるため、気温が低い環境では冷えの原因となることがあります。

・女性特有の臓器と月経

女性に特有の臓器である子宮や卵巣などは時期によって血流の変化があり、腹部の血流が悪くなることがあります。

また月経時には血液が減少するため、手足の末端まで血液が行き届きにくくなり、生理中に体が冷えると感じる人もいます。

・ホルモンのバランス

女性には妊娠・出産、更年期など、ホルモンのバランスが大きく変化することがあり、体温を調整している自律神経が影響を受けることで体が冷えやすくなることがあります。

・ストレス

生活の中にはさまざまなストレスがあり、ストレスによって自律神経のバランスが乱れることがあります。

過剰なストレスによって緊張した状態では交感神経が優位となり、末梢血管が収縮して血流が悪くなり、冷えを招くことがあります。

・生活習慣

近年ではエアコンや暖房の利用によって、もともと備わっていた体温調を調節する機能が低下している人が増えていると考えられています。

さらに女性は、学校や職場などでも制服としてスカートを着なくてはならない場面があることも、女性の体を冷やす要因のひとつとなります。

<冷え性の症状>

体が冷えることで起こる症状には、一般的に不定愁訴といわれるものが多くあります。ひどくなると日常生活に影響を与えてしまう可能性もあります。

・身体的な症状

手荒れ(ひび割れ、あかぎれ、しもやけなど)、疲労感・倦怠感、頭痛、便秘、下痢、食欲不振、肩こり、腰痛、むくみ、生理痛、睡眠の変化など

・精神的な不調

イライラする、抑うつなど

冷え性の4つのタイプ

東洋医学で冷え性は、冷え方の特徴によって大きく4つのタイプに分けられます。それぞれのタイプによって改善策や処方される漢方薬も異なります。

全身型

体内の熱生産が低下して全身が冷えるタイプです。新陳代謝が低下し、食欲低下や無気力、倦怠感などの症状が生じます。

長期間の冷えによって体の末端だけではなく、内臓も冷えている状態で、風邪をひきやすかったり、お腹を下しやすいことがあります。

四肢末端型

血流が悪く、末梢まで血液が循環しないことで手足に冷えを感じるタイプです。

比較的若い女性に多く、無理なダイエットや栄養不足などが誘因となることがあります。

筋肉量が少なく、しもやけや立ちくらみ、月経のトラブルなども起こりやすいタイプです。

手足を温めるだけではなく、お腹や腰など体全体を温めるようにするのが効果的です。

上熱下寒型

上半身はのぼせて、下半身が冷えるタイプです。骨盤のゆがみなどが誘因となって下半身の血行不良を招き、イライラや頭痛、肩こり、肌荒れ、月経トラブルや便秘などの症状が起こりやすいタイプです

体感異常型

ストレスが原因で自律神経のバランスが崩れて血流が悪くなり、内臓に血液が行き届かなくなって冷えるタイプです。

疲れているのに眠れない、集中力が続かない、イライラする、呼吸がしづらいなどの症状があらわれます。うまく気分転換し、ストレスをためないことが大切です。

冷え症の予防・改善

日常生活の中で、少し意識することで冷えを緩和できるかもしれません。できることから始めてみましょう。

<冷え性改善に役立つ栄養と食べ物>

基本はバランスよく食べることが大切です。いろいろな食品を摂ることを心がけましょう。

冷えによって食欲がない、胃腸の調子が悪いなどの自覚症状がある場合は、できるだけ消化の良い温かいものを食べるようにしましょう。

・筋肉を作る良質のタンパク質

熱を作り出す筋肉を維持するために、良質のタンパク質は重要です。肉や魚、卵、大豆製品、乳製品などを毎食摂るようにしましょう。

・血流を改善するビタミン

ビタミンE:末梢の血管を拡張し、血流を改善する効果が期待できます。ツナやウナギ、ナッツ類にも多く含まれています。

ビタミンC:コラーゲンの合成に欠かせないビタミンで、血管の健康を保ちます。野菜や果物に広く含まれています。

・貧血の予防・改善に必要なミネラル

鉄:赤血球中のヘモグロビンを作るために必要です。不足すると鉄欠乏性貧血を引き起こします。

銅:銅は鉄を利用できる形に変形させる働きがあります。鉄だけではなく、銅の不足によっても貧血を引き起こす可能性があります。

・体を温める食品

薬膳の考え方では、食品は体を温める「陽性」のものと、体を冷やす「陰性」のもの、どちらにも属さない「中性」のものに分けられます。

陽性の食べ物を意識的に摂ると体がより温められると考えられています。

中性の食べ物は温めることも冷やすこともしないため、玄米や麦など主食として利用されているものが含まれています。

陰性の食品も加熱して食べたり、陽性の食品と一緒に摂ることで体を冷やす効果が弱められるため、陽性の食品に偏ることなく、バランスよく食べるようにしましょう。

<冷え性改善のための生活>

・朝食を抜かない

朝食は自律神経のバランスを整えるために重要です。温かいみそ汁を飲むだけでも体が温まります。

・衣類

衣類で体を保温することは単純ですが効果的です。近年では保温効果の高い素材で作られた衣類もいろいろな種類があるので利用しましょう。

腹巻も体を温めるために有効です。特に冷えによって胃腸の調子が悪い場合は、腹部を直接温めることで改善することがあります。

薄手のものでも効果的なので試してみましょう。マフラー、リストウォーマー、レッグウォーマーなどで首や手首、足首を保温するのも有効です。

きつい下着や体を締め付けるような衣類は、血流を阻害するので避けましょう。

・入浴

湯船に入って体を温めることは冷え性の改善にはとても効果的です。

ぬるめのお湯に20分以上ゆっくりと入ることで副交感神経が優位となって血管が拡張し、血流がよくなります。入浴前に白湯や常温の水などを飲んでおきましょう。

・適度な運動

適度な運動によって血行が促進されます。

筋力をつけるレジスタンス運動と、自律神経のバランスを整える有酸素運動を組み合わせるのが理想的ですが、運動習慣のない人の場合は無理なく、楽しく継続できることが大切です。

特別に運動する時間を設けなくても、就寝前にストレッチをしたり、日常生活の中で歩く時間を増やすなど、生活の中で体を動かすことを意識してみましょう。

・腹式呼吸

普段の生活で呼吸を意識することは少ないですが、無意識に呼吸が浅くなっていることがあります。

意識して腹式呼吸をすることで副交感神経の働きが高まり、血流を促進することにつながります。初めに口からゆっくりと息を吐ききります。

次に鼻からゆっくりと息を吸い、肺とお腹を膨らますようなイメージでいっぱいに息を吸い、再び口からゆっくりと息を吐ききります。苦しくならない程度に、数回くり返してみましょう。

冷え性についてのまとめ

女性は身体的な特徴から、男性よりも冷え性になりやすいといえます。冷え性は大きく4つの種類に分けられ、それぞれ考えられる原因が異なります。

食事や生活習慣など、冷え性を改善するためにできることがあります。無理のないことから始めて、ぜひ継続していきましょう。

冷えを改善するために積極的に摂りたい栄養素や体を温める性質がある食べ物もありますが、基本は栄養バランスの整った食事です。

いろいろな種類の食品を摂るように心がけましょう。

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この記事の作成者:S.M(管理栄養士)
この記事の提供元:シルバーライフ

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