ブシャール結節とは?原因がさまざまな手指の痛みと変形
作成日:2021年12月28日
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手指は日常的にとても動きが多いため、少しの違和感や痛みでもつらいものです。
また手指の関節に変形がおこると、今までできていた動作が困難になることもあります。特に女性は、女性ホルモンが関与している可能性のある病気もあり、誰にでも発症の可能性があるといえます。
手指の痛みや変形がおこる病気
手指の痛みや変形がおこる可能性がある病気はいろいろとありますが、ここでは比較的患者数の多い病気を取り上げます。
<腱鞘炎>
骨と筋肉をつなぐ腱が通っている「腱鞘」に、何らかの原因で炎症が起きて痛みがおこるものを腱鞘炎と呼びます。
その原因や発症部位によっていくつかの病名がありますが、親指を伸ばす伸筋腱の狭窄で起こる「ドケルバン腱鞘炎」や、指を曲げる屈筋腱に炎症がおこる「ばね指」は患者数の多い腱鞘炎です。
手指をよく使う人や、妊娠や出産、更年期などホルモンの変動する女性が多く発症するほか、現代ではスマートフォンの使用で手指を長時間動かしていることで発症する人も増えているといわれます。
<関節リウマチ>
免疫機能の異常によって関節が炎症を起こし、軟骨や骨が破壊されていく病気です。治療をしないままでいると、関節が変形していきます。
初めは手足の関節で起こりやすく、関節を動かさなくても痛みが生じ、左右の関節で同時に症状が出やすいのが特徴です。
関節の症状以外にも発熱や倦怠感、食欲不振などの全身症状が生じることもあります。
<へバーデン結節・ブシャール結節>
へバーデン結節は、指の第一関節に痛みや変形が生じる病気です。同様の症状が第二関節に生じた場合はブシャール結節と呼びます。
人差し指から小指にかけての複数の関節に発症し、比較的ゆっくりと進行していくのが特徴です。
症状の進行は個人差が大きく、痛みも強くなったり軽減したりを繰り返しながら進行していくこともあり、早期に受診をする人は少ないのが現状です。
<母指CM関節症>
親指の付け根に痛みや変形を生じます。45歳以降の女性に多く発症することから女性ホルモンとの関係も示唆されていますが、さまざまな要因の影響も考えられており、特定はされていません。
手指の病気、原因と症状
<腱鞘炎>
・ドケルバン腱鞘炎
親指を多く広げたとき手首に出る2本の腱と、手首の背にある懸賞の間の摩擦によって炎症が起きて発症し、腱が肥大したり腱鞘が肥厚することで悪循環となります。
親指を使いすぎることが原因のひとつで、負荷がかかり続けることで悪化します。
テニスなどのスポーツや楽器の演奏、家事や仕事などで手を酷使することが発症の要因とされていますが、妊娠や出産、更年期などホルモン根変化も関係していると考えられています。
手首の親指側が腫れて痛みが出るため物をつかんだり握ったりすることが困難となり、明け方に症状が強く、日中は比較的軽減されることが多いといわれています。
・ばね指
指が伸びにくく、無理に伸ばすとばねのような現象が起きるのが特徴で、ドケルバン腱鞘炎と同様に慢性的に手指を酷使してきた人に多い病気です。
指の腱鞘炎が進行すると曲げ伸ばしに支障が出て、指を伸ばそうとすると引っかかるような感覚のあと、音を立てて伸びる「ばね現象」が起きます。
親指に多くおこりますが、他の指に出ることもあります。ひどくなると指が動かなくなることもあります。
<関節リウマチ>
関節リウマチによる関節の腫れの原因のひとつには免疫機能の異常があります。
本来は外敵から自分を守る働きのある免疫機能ですが、自分自身を攻撃することで骨や軟骨を壊してしまい、痛みや腫れが生じます。
手指や足の小さな関節の痛みや腫れから始まり、だんだんと手首や肩、ひざなどの関節にも症状が広がり、左右対称の関節に症状があらわれるのが特徴です。
関節痛は悪化したり軽減したりしながら進行し、骨や軟骨が破壊されて関節の変形がおこり、関節の動きが狭くなります。
<へバーデン結節・ブシャール結節>
手指の酷使や遺伝、女性ホルモンとの関係などが示唆されていますが、明らかな原因は不明です。
へバーデン結節では第一関節、ブシャール結節では第二関節に痛みや腫れが生じますが、変形は病気の進行度合いによって個人差があります。
基本的には人差し指から小指に発症しますが、稀に親指でも症状が出ることがあります。
左右のどの指から発症するかや、発症する順番、発症する指の本数、痛みや変形の強さなどには個人差が大きく、数本の指が同時に発症することもあれば、1本の指だけで終わることもあります。
<母指CM関節症>
親指の手前の甲の骨と手首の小さい骨の間の関節で軟骨が摩耗して痛みや変形を生じます。加齢や遺伝、女性ホルモンとの関係などが示唆されていますが、明らかな原因は不明です。
対処と治療
<腱鞘炎>
保存療法として、腫れや痛みのある部位を安静にするため、サポーターやテーピング、装具などで固定したり、鎮痛剤やステロイド剤などで痛みや炎症を軽減します。
症状が悪化して日常生活に支障が生じた場合は、腱鞘を切り離す手術を行うこともあります。
<関節リウマチ>
個人差はありますが、発症から2年以内に急速に症状が悪化する傾向があり、この期間の適切な治療によって進行を遅らせることができるようになっています。
症状に気づいたらできるだけ早い時期に治療を始めることが重要といえます。主に消炎鎮痛剤やステロイド剤、抗リウマチ剤などの薬物治療を、定期的な検査を実施しながら継続していきます。
関節障害によって歩行が困難になるなど、日常生活に支障が生じた場合には手術を行うことがありますが、その部位や目的によっても様々な手術の方法があります。
また適切なリハビリテーションは関節の機能低下を抑制したり、痛みを和らげる効果も期待できます。
<へバーデン結節・ブシャール結節>
保存療法として局所のテーピングが一般的です。適切な時期にテーピングをすることで変形が軽減できることもあるようですが、根本的な原因の解消にはなりません。
痛みや炎症が強い場合は消炎鎮痛剤や関節内ステロイド注射などを行います。
痛みや変形が強く、日常生活に支障が生じた場合は、結節を切除したり、関節を固定する手術を行うこともあります。
<母指CM関節症>
症状に応じて消炎鎮痛剤入りの貼り薬や消炎鎮痛剤の内服、関節内注射などを行います。関節の動きを制限するために軟性装具などで固定することも有効です。
痛みが強かったり、亜脱臼を伴う高度な関節の変形などがある場合は手術を行うこともあります。
症状悪化の予防や軽減のためにできる事
いずれの病気も明らかな原因がわかっていないため、確実に予防する方法はありませんが、いずれの場合も、早期に治療を開始することは進行を抑制するために重要といえます。
痛みのある関節を使いすぎず安静にすることは、痛みの緩和に有効です。
患部の固定
痛みのある部位を安静にすることで痛みを軽減したり、変形を抑制することが目的です。
固定する方法はサポーターやテーピング、専用の装具などがありますが、適切な方法で固定しないと症状が悪化する場合もあるので、かかりつけの医師などに相談するようにしましょう。
エクオール
いずれの病気もはっきりとした因果関係はわかっていませんが、発症には女性ホルモンの減少との関係性が示唆されています。
エクオールとは大豆イソフラボンから腸内細菌によって作られる成分で、女性ホルモンのエストロゲンと似た働きをすることがわかっており、エクオールには更年期以降に減少するエストロゲンを補う作用が期待されています。
腸内でエクオールを作り出せかどうかは個人差があり、エクオールを作り出せるかどうかは尿検査で調べることが可能です。
自分の腸内でエクオールを作り出せる場合は大豆や大豆製品を食べることでエクオールの効果が期待できますし、作り出すことができない場合は、サプリメントなどで摂取することが可能です。
オメガ3系脂肪酸を摂る
オメガ3系脂肪酸には炎症を抑える働きがあることがわかっており、関節リウマチや、そのほかの炎症のある関節痛の緩和に効果が期待できます。
魚油に多く含まれるDHAやEPA、アマニ油やエゴマ油に含まれるαリノレン酸はオメガ3系脂肪酸です。
毎日の食事に魚介類を積極的にとり入れたり、アマニ油やエゴマ油を使ったドレッシングなどを利用してみましょう。
またDHAやEPAはサプリメントなどで摂ることもできます。
手指の痛みや変形についてのまとめ
手指の痛みや変形を伴う病気はいろいろとあり、根治が難しいものが多くあります。
発症は中年以降の女性に多いことから、女性ホルモンの減少との関係も示唆されていますが、はっきりとは解明されていません。
遺伝的な要因もはっきりとわかっていませんが、近親者に発症者がいる場合は、注意して観察してみるようにしましょう。
いずれの病気も、症状が出てから早期に治療を始めることで進行を抑制できる可能性があります。
いつ、どのような病気にかかるか、予測することは困難ですが、どのような病気の予防にもバランスの良い食事や適度な運動、規則的な生活習慣は有効です。
そうはいっても、毎食栄養のバランスを考えて食事の準備をするのは大変なことです。
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