耳が聞こえにくくなる原因とは?早めに耳鼻科の受診を
作成日:2022年4月7日
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耳が聞こえにくくなる原因には加齢や、突発性難聴メニエール病などの耳の病気があります。
耳の聞こえの悪さを放置すると、認知症を発症するおそれや、聴力が低下したまま戻らなくなるおそれも。
このページでは、耳が聞こえにくくなる原因や、治療法などについて解説します。
目次
耳が聞こえにくくなる原因とは?
耳が聞こえにくくなることを難聴といい、難聴は大きく分けると伝音性難聴、感音性難聴、混合性難聴の3つに分類されます。
伝音性難聴とは、外耳や中耳が正常に機能しなくなって音が伝わりにくくなる難聴です。
伝音性難聴の場合は、音を大きくすることで音を聴くことができます。中耳炎などによる難聴がこれにあたります。
感音性難聴は、内耳よりも奥にある中枢神経系に障害をきたすと起こる難聴です。
感音性難聴では、高音域の音が聞こえにくくなったり、複数の音を聞いた時に特定の音だけを聞き分けることが難しくなったりします。
老人性難聴は突発性難聴、メニエール病などがこれにあたります。
混合性難聴は、伝音性難聴と感音性難聴の両方を持つ難聴のことをいいます。
難聴の原因には、加齢、先天性、外傷性、ウイルス性、遺伝、ストレスなどです。
徐々に耳が聞こえにくくなっていく場合には、慢性中耳炎や老人性難聴、耳硬化症などが疑われます。
加齢による老人性難聴は、個人差がかなり大きく、30代後半から聞こえが悪くなる人もいれば、80代でも聞こえに問題が無い人もいます。
老人性難聴は両耳に起こる、という特徴があります。
「歳だからしょうがない」と放置してしまうと、認知症を併発しやすくなると言われています。
突然耳が聞こえにくくなる場合には、突発性難聴やメニエール病、耳管狭窄症などの病気が疑われます。
特に成人がかかる耳の病気の中で最も多いのは突発性難聴です。
発症の原因は明らかになっておらず、突然発症し音がほとんど聞こえない状態になるという特徴があります。
受診が遅れると神経に変性が起きてしまい、聴力が戻らなくなってしまうため、症状があらわれたら遅くとも2週間以内には治療を開始する必要があります。
耳が聞こえにくくなる疾患とその治療法とは?
耳が聞こえにくくなる疾患の一例を紹介します。症状がある場合は自己判断せず、早めに耳鼻科を受診するようにしましょう。
・老人性難聴
音を感じる器官である細胞が加齢とともに徐々に減っていくことで生じます。
初期は高音域が聞こえにくくなり、中音域から低音域へと難聴の範囲が広がっていくという特徴があります。
耳鳴りを伴うこともあり、これらの症状は一般的に両耳に起こります。
老人性難聴に対する最も有効的な対策方法は、補聴器を使用することです。
老人性難聴による聞こえにくさには個人差があるため、補聴器を購入する前には、耳鼻科医に相談の上、専門的な知識・技能を持った補聴器技能者によってフィッティングを行う必要があります。
・メニエール病
回転性めまいと、片耳だけの耳鳴り、難聴の3つが同時に起こる疾患で、吐き気や嘔吐を伴うこともあります。
内耳にリンパ液が溜まることが原因と言われており、過労やストレスが引き金で発症しし放置すると耳鳴りや難聴が進行します。
メニエール病の治療では、リンパ液の滞留を防ぐ利尿剤や抗めまい薬、ステロイドなどが用いられます。
また、ストレスは発症や悪化との関わりが強いとされているため、十分に休息をとり、ストレスの原因をできる限り回避することが大切です。
・突発性難聴
突然片方の耳に金属音のような激しい耳鳴りと難聴が起こる疾患で、過労やストレスが引き金となって発症すること多いと言われています。
発症から48時間以内に治療を開始すると治る見込みは高くなりますが、2週間以上経過してしまうと聴力が戻らなくなるおそれがあります。
突発性難聴は、症状が軽い場合かつ発症して数日以内であれば、ビタミン剤や循環改善剤などが投与され、経過を観察します。
改善がみられない場合や症状が悪化する場合はステロイド薬の内服や、状況に応じて点滴を併用することもあります。
・低音障害型感音難聴
突発性難聴のように突然難聴が起こる疾患で、特に低い音だけが聞こえなくなるという特徴があります。
耳鳴りや耳閉感を伴うこともあります。その後めまいがあらわれ、メニエール病へ移行することもあります。
低音障害型感音難聴の根本的な原因は解明されていませんが、内耳の障害を伴うことが分かっており、ステロイドやビタミンB12などの内服によって治療を行います。
・膿性中耳炎
細菌やウイルス感染によって中耳に炎症が起こる病気で、急性に発症する場合と、慢性的な場合があります。
子どもに多い病気ですが、大人でもかかることがあります。
中耳に膿がたまって、その膿によって鼓膜が押されるため、強い耳の痛みと難聴をきたします。発熱を伴うこともあります。
膿性中耳炎は、初期の場合には抗生物質や炎症を抑える薬を使って治療します。
膿がたまって鼓膜が腫れると、痛みが強くなったり高熱が続いたりすることもあり、そのような場合には鼓膜を少しだけ切り取って膿を排出させる治療を行う場合もあります。
・滲出性中耳炎
滲出性中耳炎は中耳に滲出液と呼ばれる水分が溜まる疾患です。
耳と鼻をつなぐ耳管は中耳の気圧を調整しています。
しかし、風邪などが原因で耳管の働きが悪くなると、中耳の気圧が調整できなくなり、鼓膜はくぼんだ状態となります。
この状態が続くと、中耳に滲出液がしみ出し、耳鳴りや難聴、耳閉感などの症状が起こります。
滲出性中耳炎の治療は抗生物質や消炎酵素剤などを内服して滲出液がたまらないようにします。
また、浸出液が抜けやすくなるよう耳管に空気を通す治療が行われる場合もあります。2~3か月程度治療しても改善の見込みがない場合には、鼓膜を切開して滲出液を排出することもあります。
・真珠腫性中耳炎
鼓膜の一部が耳の奥に入り込むことで、垢が蓄積し、真珠のように見える塊が形成されることから真珠腫性中耳炎と呼ばれます。
初期には症状がないことが多く、進行すると耳垂れと難聴をきたします。
真珠腫性中耳炎を根本的に治療するには手術が必要です。
・耳硬化症(じこうかしょう)
音の振動を内耳に伝えるアブミ骨と呼ばれる骨が固着することで難聴をきたします。
遺伝や麻疹の潜伏感染、女性ホルモンの乱れなどが原因と考えられている疾患です。
両耳に難聴が起こることが多く、徐々に聞こえにくさが増していきます。耳鳴りを伴うこともあります。
耳硬化症は手術をすることで難聴を改善することができます。
まとめ
耳の聞こえは、悪くなっても自分で認識しにくい、という特徴があります。
「テレビの音量を大きくしないと聞こえない」「何度も相手の話を聞き返す」などの症状がみられたら、なるべく早く耳鼻科を受診しましょう。
健康な身体づくりには毎日の食事が大切です。
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