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ステージ別の症状は?乳がんについて

作成日:2022年2月24日

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ステージ別の症状は?乳がんについて

乳がんは女性がかかるがんの中で最も多く、罹患率、死亡者数ともに増加の一途を辿っています。

乳がんはどの年代でも発症する可能性がありますが、40歳からは乳がん検診を2年に1回のペースで定期的に受けることが推奨されています。

このページでは乳がんの原因や治療法などについて解説します。

乳がんとは?

乳がんとは、乳腺の組織にできるがんです。

日本人女性では乳がんにかかる人数が増加しており、今や9人に1人が乳がんにかかる時代とも言われています。

近年増加している背景に、ライフスタイルや食生活の変化があると考えられています。

乳がんにかかる人は30代後半から40代にかけて急増します。

40代から60代が発症のピークですが、早期発見であれば約90%の人は治癒する病気です。

乳がんの原因はまだはっきりと解明されていません。発症リスクを高める要因に女性ホルモンであるエストロゲンの過剰分泌、年齢や遺伝子の異常、肥満や喫煙などが考えられています。

エストロゲンの分泌が多くなる要因には、初潮が早いことや閉経が遅いこと、出産・授乳経験がないことなどがあげられます。

乳がんは「HER2陽性乳がん」「ホルモン受容体陽性乳がん」「トリプルネガティブ乳がん」「遺伝性乳がん」の4つの型に分けられます。

これらのがんの型は病理診断の結果で判明し、型により治療方針が異なります。

乳がんは女性だけの病気と思われがちですが、全体の約1%が男性の患者さんです。

男性の乳がんは女性と比べると遺伝性乳がんであることが多いという特徴があります。

乳がんの症状とは?

乳がんは早期の段階では、自覚症状はほとんどありません。

以下のような自覚症状は病期(ステージ)の進行とともにあらわれます。

・乳房のしこり
・乳房の痛み
・乳房のひきつりやへこみ
・左右の形が非対称になる
・乳頭から分泌物が出る
・乳頭、乳輪のただれ
・乳頭の陥没
・脇の下の腫れ、しこり

乳がんのステージ

ステージ しこりの大きさ 転移の有無・部位
ステージ0 非浸潤がん(乳管や小葉にとどまった状態)
ステージ1 2cm以下 リンパ節転移無し
ステージ2A 2cm以下 脇のリンパ節転移あり
2-5cm 脇のリンパ節転移なし
ステージ2B 2-5cm 脇のリンパ節転移あり
ステージ3A 5㎝以上 脇のリンパ節転移あり
ステージ3B 大きさは問わず 皮膚、胸壁に浸潤がある
ステージ3C 鎖骨周囲、胸骨のリンパ節への転移あり
ステージ4 内臓、骨などに転移あり

セルフチェックの方法とは?

月に1度はセルフチェックをすることで、乳がんの早期発見に繋がります。

乳がんの症状でよくみられるのはしこりですが、乳腺のしこりは他の病気でもみられることがあります。

ほとんどが良性とされますが、しこりを発見したら自己判断せず、なるべく早く専門医に相談しましょう。

(1)調べる側の腕を挙げる。
(2)反対側の手で胸をさすり、へこみやひっかかりがないか調べる。
(3)硬いしこりがないか指先で確かめる。
(4)乳頭から分泌物が出ないか調べる。
(5)脇の下に腫れやしこりがないか調べる。
(6)反対側も同様に行う。

乳がん検診を受けるにはどうすればいいの?

乳がん検診の目的は、がんを早期発見・早期治療し乳がんによる死亡率を減少させることです。

乳がんをステージ0期、Ⅰ期の段階で発見できれば、90~100%の治癒を見込めることが明らかになっています。

早期の段階ではセルフチェックで見つけることは難しく、マンモグラフィーや超音波検査などの画像診断が有効です。

乳がん検診ではこれらの検査を単独、もしくは組み合わせて行います。

国は、40歳から2年に1回の乳がん検診を推奨しています。

乳がんの検診を受けるには、居住している市町村で受ける、職場の健康診断を利用する、自分で医療機関を選んで受ける方法の3つがあります。

ほとんどの市町村では、がん検診の費用の多くを公費で負担しており、一部の自己負担でがん検診を受けることができます。

乳がんの治療とは?

乳がんの治療には、手術、放射線治療、薬物治療などがあります。

治療の方針は、がんの進行の程度や身体の状態、年齢、本人の希望などを含めて担当医と患者がともに話し合って決めていきます。

基本的には手術によってがんを取り切り、手術後の病理の検査結果によって術後の治療計画が検討されます。

がんの状態によっては、手術の前から薬物療法を行うこともあります。

手術には、乳房を温存する部分切除術と、全て摘出する全切除術、転移が認められている場合に行うリンパ節郭清術などがあります。

放射線治療は、がんに高エネルギーのX線を照射し、がん細胞を死滅させたり小さくしたりする治療法です。

薬物療法は、ホルモン療法薬や、分子標的薬、細胞障害性抗がん薬などがあります。いずれの治療も副作用が伴います。

治療を行うタイミングや治療内容はがんの悪性度や全身状態、本人の希望などから担当医と相談し、自分自身が納得した上で治療を受けることが大切です。

乳房を失うことで不便や不自由さを感じる人も多く、乳房を再建することで、精神的・肉体的苦痛が改善されることもあります。

乳房の再建は、自分のお腹や背中などから採取した組織や、シリコンなどの人工物を用いて行われます。

自家組織による乳房再建の一部や、人工乳房による再建に関しては保険適用が認められています。

しかし、費用は施設や手術の内容によって異なり、場合によっては自費診療となる場合もあります。

再建を希望する場合は、手術前に担当医に希望を伝えてよく相談し、メリットやデメリット、費用について十分理解しておく必要があります。

乳がんの発症や再発を予防する方法

・生活習慣を見直す。

乳がんの患者が増加している背景には食生活の欧米化や女性のライフスタイルの変化があると考えられています。

乳がんのリスクとなるのは、肥満や過度の飲酒、喫煙などです。適度な運動、禁煙を心がけ、飲酒は適量を守るようにしましょう。

・大豆食品を多く摂る。

大豆イソフラボンは、女性ホルモンに似た働きをしますが、イソフラボンと乳がんの発症や再発とは相関関係は認められていません。

むしろ味噌汁を1日3杯以上飲む人は乳がんの発症率が40%低下した、という研究結果もあり、大豆食品を積極的に摂ることは乳がんを発症するリスクを低下させることが明らかになっています。

味噌汁だけでなく、豆腐や納豆など大豆食品をバランス良く食事に取り入れるようにしましょう。

乳がんについてのまとめ

乳がんは女性が罹患するがんの中では一番多く、比較的若い年齢で発症することが多いがんです。

しかし、乳がんは早期発見・治療を行えば治る確率の高いがんです。乳がんを正しく恐れ、セルフチェックや定期健診を受けて早期発見に努めることが大切です。

また、乳がんの発症リスクを高める要因には肥満が関係しています。

肥満の予防・改善には適切なエネルギー量を守った栄養バランスの良い食事が必要不可欠です。

毎日栄養バランスに配慮した食事を用意することは難しい、という方には配食サービスの利用がおすすめです。

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この記事の作成者:A.N(看護師)
この記事の提供元:シルバーライフ

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