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ヘッドホン難聴とは?若い人が高リスク

作成日:2022年2月24日

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ヘッドホン難聴とは?若い人が高リスク

ヘッドホンやイヤホンを使って大きな音量で音楽などを聴き続けることで、耳の聞こえが悪くなることがあります。

年齢に関係なく発症し、失った聴覚はもとに戻ることはないため、予防が重要です。

音が聞こえる仕組みについて

音を聞いているのは耳です。耳は空気の振動という物理的なエネルギーを増強して電気エネルギーに変換し、脳に伝えています。

音とは

「音」は振動です。振動がいろいろなものを介して伝わることで耳に届き、音が聞こえます。

振動が物体の周囲にある空気を押し出すことで微小な圧の変化が起き、次々と空気の圧力が変化していくことで波となって伝わります。

この圧力が変化した波を「音波」といいます。

音の違いを表す要素として「大きさ」「高さ」などがあります。

音の大きさ(強さ)は、空気の圧力が変化した量によって決まり、この圧力を「音圧」といいます。

音の大きさは「㏈(デシベル)」という単位で表し、その数値が大きいほど大きいな音となります。

音の高さは、1秒間に空気が振動する回数で、1往復で1回の振動と数えます。

周波数「Hz(ヘルツ)」という単位で表し、1秒間に1回振動すると1Hzです。一定時間に振動数が多いほど高音で、少ないほど低音となります。

生活の中の音

人の耳は非常に幅広い周波数の音が聞こえています。

日常的に聞こえている音の中で、普通の会話の人の声は60㏈、図書館の館内は40㏈、電車が通ったときのガード下は100㏈程度といわれています。

大きい音は不快であるだけではなく、聴覚に支障をきたす可能性があります。

人の耳で音が聞こえる仕組み

音の振動は、一般的に「耳」と呼ばれる耳介(じかい)という部分で集音されて奥に届き、外耳道(がいじどう)から鼓膜(こまく)に伝わります。

鼓膜が振動して、その振動が耳小骨(じしょうこつ)という鼓膜とつながった3つの小さな骨で増幅されます。

鼓膜の奥の内耳(ないじ)の一部である蝸牛(かぎゅう)が、振動として伝わった音の情報を電気信号に変え、蝸牛神経を介して脳に伝えて、脳が音として認識します。

聞こえにくい『難聴』とはどんな状態?

難聴とは音が聞こえにくい状態のことです。

難聴の種類

難聴は、以上のある部位によって3種類に分けられます。

・伝音難聴

外耳や中耳に異常があり、音が内耳にうまく伝わらない状態です。

外耳道炎や中耳炎、鼓膜穿孔(こまくせんこう)、耳硬化症(じこうかしょう)、外傷などが原因となります。

・感音難聴

内耳や蝸牛神経、脳に異常があり、音が感じにくくなった状態です。

突発性難聴や騒音性難聴、老人性難聴などがあります。

・混合性難聴

伝音難聴と感音難聴が混在した状態です。

難聴で困ること

耳が聞こえにくいことは、日常生活の中でさまざまな不都合やリスクが発生します。

・ほかの人との会話によるコミュニケーションがうまくできなくなる。
・必要な音が聞こえないことで生活に困難が生じたり、危険を察知しにくくなる。
・高齢者では認知症の発症リスクが高まる。
・うつ症状を発症するリスクがある。

『ヘッドホン難聴』とは?

突然の大きな音や、慢性的な騒音の中にいることで難聴になることがあります。

このように外から入ってきた音によって引き起こされる難聴は感音性難聴のひとつで「音響性難聴(音響外傷)」や「騒音性難聴」といいますが、ヘッドホンやイヤホンの使用による音響性難聴を「ヘッドホン難聴」または「イヤホン難聴」などと呼びます。

ヘッドホン難聴の原因

耳から入った音は、内耳の蝸牛(かぎゅう)という器官にある「有毛細胞」という細胞で振動から電気信号に変換されて脳に伝わります。

85㏈以上の音(自動車の騒音程度)では、音の大きさと聞いている時間に比例して有毛細胞は壊れていきます。

有毛細胞が壊れていくと音を感じ取りにくくなり、難聴となります。

WHO(世界保健機構)では、80dBで1週間に40時間以上、98dBで1週間に75分以上聞き続けると、難聴のリスクが高いとしています。

100dB以上の音では急に難聴となる可能性もあるといわれます。

ヘッドホンやイヤホンでは耳に直接音が入るため、周囲に音漏れするような音量や長時間聞き続けている場合には、ヘッドホン難聴を引き起こすといわれます。

ヘッドホン難聴の特徴

ヘッドホン難聴は、徐々に耳の聞こえが悪くなっていくため難聴を自覚しにくく、気づかないうちに症状が進行します。

初期のヘッドホン難聴では高い音域(4,000Hz付近)が聞こえにくいことが多いようですが、この時点では日常会話に必要な音域の大部分は支障なく聞こえているため、難聴を自覚することはほとんどありません。

健康診断の中で行われる一般的な聴力検査では、1,000Hzと4,000Hzの音の高さで検査をします。

健康診断で少しでも聞こえにくいと感じた場合は、耳鼻科を受診して検査を受けましょう。

ヘッドホン難聴の症状は聞こえにくさの他に、耳が詰まったような感じ(耳閉感)や耳鳴りが主な症状で、耳の奥の痛みやめまいを伴うこともあります。

ヘッドホン難聴の治療

有毛細胞が壊れる前であれば、耳を安静にすることで回復する可能性があります。

初期であれば耳栓を使ったり、定期的に耳を休ませるようにします。

薬物治療ではステロイド剤の内服や点滴が行われます。血管拡張薬やビタミンB12製剤、代謝促進薬などが使われることもありますが、難聴の程度によっては聴力が十分に回復しないこともあります。

ヘッドホン難聴の予防

ヘッドホン難聴は回復が困難であるだけに、予防することが重要です。

・音量を下げたり、連続して聞かずに耳を休ませる

音量の目安は、ヘッドホンやイヤホンで音楽を聞いていても外部の会話が聞こえるくらいの音量です。

「1時間聞いたら5分耳を休ませる」のが目安です。

・ヘッドホンやイヤホンの使用を制限する

ヘッドホンやイヤホンの使用を1日1時間未満にしたり、ヘッドホンやイヤホンを使わない日を設けるのも効果があります。

・「ノイズキャンセリング機能」のついたヘッドホンやイヤホンを使う。

ノイズキャンセリング機能とは、周囲の雑音を打ち消す機能です。

ノイズキャンセリング機能を使うことで、小さい音量でもよく聞こえるようになります。

・遮音性の高いヘッドホンやイヤホンを選ぶ

遮音性が高ければ、小さい音量でもよく聞こえます。

イヤホンの場合はイヤーピースが耳穴にぴったり合っているとことで遮音性が高まります。

使用によってイヤーピースは劣化するので、適時耳に合ったものに交換するようにしましょう。

・ビタミンB12を摂る

聴覚神経が正常に機能するためにビタミンB12が必要です。

またビタミンB12には末梢神経を修復する働きがあると考えられており、難聴の治療にも利用されることがあります。

ビタミンB12は鮭やイワシ、しじみやあさりなどの魚介類に多く含まれています。

ヘッドホン難聴の危険度チェック

ヘッドホン難聴は自分では気づきにくいことがあります。ヘッドホンやイヤホンを愛用している人はぜひチェックしてみましょう。

1.ヘッドホンやイヤホンで音楽を聴くときは音量が大きく、話しかけられても気づかない。
2.1日1時間以上連続でヘッドホンやイヤホンを使っている。
3.ヘッドホンやイヤホンを耳にあてていて、突然大音量で驚いたことがある。
4.人と話していて、何度も聞き返したり、聞き違いが多い。
5.右耳と左耳で聞こえ方が違うと感じることがある。
6.耳が詰まったような感じがすることがある。
7.ヘッドホンやイヤホンで音楽を聴いた後に、耳鳴りがすることがある。
8.耳の奥が傷むことがある。
9.テレビの音量が大きいと指摘されたことがある。
10.普段の話し声が大きいと言われたことがある。

チェックの数が3個以上の場合はヘッドホン難聴の危険が高いと考えられます。

チェックの数が6個以上の場合は耳や聞こえ方に違和感を感じたらすぐに受診しましょう。

さらに9個以上チェックがあった場合は、すぐに医療機関の受診をお勧めします。

ヘッドホン難聴についてのまとめ

ヘッドホン難聴は、大きな音を長時間聞き続けることで内耳にある有毛細胞が壊れることで聞こえが悪くなる、音響性難聴です。

初期には聞こえにくいことを自覚しにくく、気づかないうちに進行していることがあります。

早期に受診できれば聴力が回復する可能性もありますが、多くの場合で失った聴力は回復しないため、ヘッドホンやイヤホンの使い方や音量に注意して予防することが重要です。

聴覚機能が正常に働くためにビタミンB12が必要であるといわれます。

ビタミンB群には多くの仲間があり協力しあって働くため、ビタミンB12だけではなくビタミンB群としてバランスよく摂取することで効率よく働きます。

毎日のお食事の中で、いろいろな食品を摂るようにこころがけることで栄養のバランスはとりやすくなります。

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この記事の作成者:S.M(管理栄養士)
この記事の提供元:シルバーライフ

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