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帯状疱疹の原因や治療法について

作成日:2022年1月30日

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帯状疱疹の原因や治療法について

帯状疱疹は神経に潜んでいた水痘・帯状疱疹のウイルスが活性化することで発症します。

このウイルスは免疫力が低下すると活性化するため、50歳以上になると帯状疱疹の発症率が急増します。

このページでは帯状疱疹の原因や治療、予防方法などについて解説します。

帯状疱疹とは?

帯状疱疹は水痘・帯状疱疹ウイルスという水ぼうそうの原因となるウイルスによって起こり、このウイルスを保有している場合は誰でも帯状疱疹を発症する可能性があります。

日本人の場合は、成人の約9割は子どもの頃に水ぼうそうにかかっているため、多くの人がこのウイルスを保有しています。

水ぼうそうが治ったあともウイルスは完全に身体から無くなるわけでなく、実は神経細胞に潜んでいるのです。

このウイルスは、大人になってから疲労やストレス、不規則な生活、加齢などによる免疫力の低下をきっかけに活性化し、帯状疱疹を起こします。

特に加齢の影響は大きく、帯状疱疹にかかる人の約7割は50歳以上の方です。

通常は一度帯状疱疹にかかると免疫力がつくため再発することはほとんどないと言われています。

しかし、免疫力が極端に低下した場合に再発する可能性があります。

また、帯状疱疹は他人に感染することはありませんが、水ぼうそうにかかったことが無い人に水ぼうそうをうつしてしまう可能性があります。

帯状疱疹が治癒するまでは、免疫力が低く水ぼうそうにかかったことが無い乳幼児や妊婦との接触は避けるようにしましょう。

帯状疱疹の症状とは?

帯状疱疹はウイルスが潜伏していた神経の枝に沿った皮膚の部分に広がっていくという特徴があるため、発症するのは身体の左右どちらかの部位です。

身体のどの部分でも発症しますが、特に胸や背中に多く、痛みや赤い発疹、水ぶくれを伴います。

発症数日前は、身体の一部に違和感や、チクチクまたはピリピリとした痛みを感じます。次第に痛みを感じた場所にぶつぶつと赤い発疹が出てきます。

初期は狭い範囲から始まり、痛みもそれほどありませんが、帯状に範囲が広がることが多く、痛みが強くなっていきます。

同時に軽い発熱やリンパ節の腫れがみられることもあります。さらに悪化すると、水ぶくれが大きくなって全身に広がり、激しい痛みを伴います。

中等症~重症では入院による治療が必要となることもあります。

帯状疱疹は自分では判断しにくい病気であり、発症初期の段階では虫刺されやかぶれなど他の皮膚の病気と思い込み、受診が遅れてしまうケースが少なくありません。

ウイルスが体内で増殖し、神経や皮膚の炎症が長引くと重症化したり合併症を起こしたりする可能性があるため、早期発見、早期治療が大切です。

帯状疱疹の合併症とは?

帯状疱疹には合併症があり、中でも「帯状疱疹神経痛」は50歳以上の患者さんの約2割が発症すると言われています。

帯状疱疹後神経痛とは、通常では皮膚に形成された水疱や斑点が治るにつれて痛みも落ち着いてくるのに対し、発症後3~6か月以上、または年単位で痛みが持続する状態のことです。

そのほかにも、ウイルスによる角膜炎や結膜炎といった眼の合併症、顔面神経麻痺、難聴などの重篤な合併症があります。

帯状疱疹の合併症

・帯状疱疹後神経痛
・角膜炎、結膜炎、ブドウ膜炎などの眼の合併症
・頑迷神経麻痺、耳鳴り、めまい、難聴など
・無菌性髄膜炎、脳炎、脊髄炎など
・運動麻痺、筋萎縮、膀胱・直腸障害など
・肺炎、肝炎、脳炎など

帯状疱疹の治療方法とは?

帯状疱疹の治療では、原因となるウイルスに対しては、抗ウイルス薬を使用してウイルスの増殖を抑制し、痛みに対しては鎮痛薬を使用します。

抗ウイルス薬は発症後2~5日以内に開始しなければ効果が下がるため、ウイルスが皮膚や神経に与えるダメージが少ない初期の段階に治療を始めることが大切です。

基本的に飲み薬を使用しますが、場合によっては点滴をすることもあります。

また、水ぶくれがつぶれてしまい、細菌に感染した場合には抗菌薬を使用します。皮膚の症状によっては塗り薬が使われることもあります。

痛みが治まらない時は我慢せず、薬の調整が必要となるため、早めに受診して医師に相談しましょう。

帯状疱疹の予防方法とは?

・ワクチンを接種する。

2016年から50歳以上の方を対象に帯状疱疹のワクチンが認可されています。

ワクチンを接種することで帯状疱疹の発症率を下げることができ、発症しても重症化や後遺症が残ることを防ぐ効果があります。

・免疫力を低下させないようにする。

免疫力は20歳代をピークに低下し、40歳代ではピーク時の50%まで低下すると言われています。

免疫力が低下する原因は、加齢、ストレス、不規則な生活や運動不足、身体の冷え、喫煙、飲酒などがあります。

免疫力を高めるためには、適度な運動をしてストレスを溜め込まないことや腸内環境を整えること、しっかり睡眠をとって規則正しい生活をすることなどが大切です。

免疫力を高めるための食事について

・3食規則正しく栄養バランス良く食べる

規則正しい食事は自律神経のバランスを整えます。免疫力を向上させる栄養素にはタンパク質やビタミン、ミネラルがあります。

免疫細胞を活性化させるには細胞の主成分となるタンパク質が必要です。

ビタミンAやビタミンBには細胞の免疫機能を保持する働きがあり、ミネラルには免疫細胞を保護する働きがあります。

これらの栄養素を積極的に取り入れながら炭水化物や食物繊維、脂肪などを偏らずに満遍なく摂取することが大切です。

・野菜は皮ごと食べる

野菜に含まれるファイトケミカルには活性酸素の働きを抑える抗酸化作用があり、免疫力を高めます。

ファイトケミカルとはβカロテンやリコピン、アントシアニンといったポリフェノールやカロテノイドなどの総称で、野菜や果物の色素や苦み、えぐみ、香り、辛みなどの成分のことです。

ファイトケミカルは野菜の皮に多く含まれているため、皮ごと調理して食べるようにしましょう。

<主なファイトケミカル>

種類 含まれる主な食品
ポリフェノール

(フラボノイド)

アントシアニン類 ブルーベリー、ブドウ
イソフラボン類 大豆
フラボン類 セロリ、パセリ、ピーマン
カテキン類 緑茶、果実類、カカオ
フラボノール類 ブロッコリー、玉ネギ
フラバノン類 柑橘類の皮
カロテノイド αカロテン ニンジン、カボチャ
βカロテン ニンジン、カボチャ、トマト
βクリプトキサンチン ミカン、ホウレンソウ
リコピン トマト、スイカ
ルテイン ホウレンソウ、ブロッコリー
ゼアキサンチン カボチャ、トウモロコシ
硫黄化合物 イソチオシアネート系 ダイコン、ワサビ、キャベツ、ブロッコリー
アリシン ニンニク、玉ネギ、ニラ

まとめ

帯状疱疹は、加齢に伴う免疫力の低下やストレスなどが原因で発症します。高齢者の場合は重症化しやすいため、帯状疱疹は早期発見・早期治療が大切です。

帯状疱疹を予防するにはワクチンの接種や、十分な睡眠とバランスのとれた食事をとるなど、免疫力が低下しないよう健康的な生活を心がけましょう。

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この記事の作成者:A.N(看護師)
この記事の提供元:シルバーライフ

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