貧血の原因は鉄分の不足だけじゃない!宅配弁当もおすすめ
作成日:2022年1月30日
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貧血というと「鉄不足」というイメージがあります。
確かに貧血の中では鉄の不足が原因となる「鉄欠乏性貧血」が最も多いといわれており、日本人女性の約10人に1人が貧血ともいわれています。
しかし、貧血の原因は鉄の不足だけではありません。中には深刻な疾患が原因となっていることもあります。今回は鉄欠乏性貧血以外の貧血について紹介します。
不足で貧血になる鉄以外の栄養素
正常な赤血球を作るために必要な栄養素は鉄だけではありません。
食事からの摂取不足の他、疾患や薬の影響などによって吸収が阻害されたり、いろいろな要因によって排泄が促進されることで、体内で栄養素の不足や欠乏が生じます。
ビタミンB12・葉酸
ビタミンB12やビタミンB群の仲間である葉酸の不足によって貧血を発症することがあり、「巨赤芽球性貧血(きょせきがきゅうせいひんけつ)」と呼ばれます。
これらのビタミンが欠乏することでDNAの合成が阻害され、未熟な赤血球(巨赤芽球)ができるため貧血を生じます。
巨赤芽球性貧血の主な症状は動悸や息切れ、疲労感などですが、萎縮性胃炎や舌炎などを生じることもあります。
・ビタミンB12欠乏
ビタミンB12が欠乏する主な原因は、胃の全摘出や免疫の異常による胃粘膜の萎縮、胃液の分泌が悪いことによるビタミンの吸収障害などですが、まれに極度の摂食低下や厳密な菜食主義者でもビタミンB12の欠乏によって貧血を引き起こすことがあります。
ビタミンB12は体内で合成することができないため、食事から摂る必要がありますが、ビタミンB12は肝臓に貯蔵されており、枯渇するまでに数年かかると考えられています。
このことから、食事からビタミンB12を摂取しなくなっても、貧血を生じるまでにはある程度の期間があると考えられます。
・ビタミンB12を多く含む食品
ビタミンB12は比較的動物性の食品に多く含まれています。そのため厳密な菜食主義者では不足の可能性が高いといえます。
しじみやあさりなどの貝類やレバーに豊富に含まれており、植物性の食品では海苔に多く含まれています。
ビタミンB12は必要な量が吸収されて余分な分は排泄されるため、過剰摂取による悪影響はほとんどないと考えられています。
・葉酸欠乏
葉酸は極端な偏食や消化器疾患による吸収不良、薬剤の影響などが原因で不足することがあります。
またアルコールは体内で葉酸の吸収や代謝、腸肝循環による再吸収を阻害するため、アルコール依存症では葉酸が欠乏する可能性があります。
妊娠・授乳中は相対的に葉酸の必要量が増加するため、不足の可能性もあります。
摂取した葉酸は肝臓に貯蔵されますが、食品から摂取されなかった場合は数か月で枯渇すると考えられています。
・葉酸を多く含む食品
葉酸は海苔やわかめ、大豆などに豊富に含まれています。また葉物野菜にも広く含まれていますが、葉酸は水溶性のビタミンなので、ゆでたり水にさらしたりすることで損失します。
葉酸は比較的熱にも弱いため、加熱のし過ぎにも注意しましょう。
銅・亜鉛
銅や亜鉛も赤血球を作るために必要なミネラルであるため、不足すると貧血を引き起こします。
体内で銅と亜鉛はお互いにバランスをとって存在しており、亜鉛の過剰摂取は銅の吸収を抑制します。
銅も亜鉛も、健康な人であれば一般的な食事からの摂取で欠乏症を引き起こす可能性は低く、また過剰摂取となる可能性も低いと考えられていますが、サプリメントなどを利用する場合、過剰症には注意が必要なこともあります。
・銅欠乏
銅の不足によって銅欠乏性貧血を引き起こす可能性があります。
銅は体内でアポセルロプラスミンというタンパク質と結合してセルロプラスミンの形になってさまざまな働きをしますが、セルロプラスミンはヘモグロビンの合成にも必須であり鉄の代謝にかかわっているため、不足すると貧血を引き起こす可能性があります。
一般的には欠乏しにくい栄養素ですが、銅の吸収を阻害する疾患や持続性の下痢症状によって銅欠乏を生じることがあります。
・銅を多く含む食品
牡蛎やレバー、スルメイカなどに多く含まれています。
植物性の食品では大豆や大豆製品に多く含まれており、ココアにも比較的多く含まれています。
銅の吸収率は摂取量によって変化すると考えられています。
・亜鉛欠乏
亜鉛の欠乏によって赤芽球の分化や増殖が障害されることで貧血を生じます。
スポーツ選手や透析患者では、亜鉛の欠乏による貧血を引き起こす可能性が高いと考えられており、スポーツ選手では汗や尿からの亜鉛排泄の増加に加え、亜鉛の欠乏によって赤血球膜の抵抗性が弱まり、激しい運動による刺激で溶血するためと考えられています。
・亜鉛を多く含む食品
牡蛎や松の実、ごまには豊富に亜鉛が含まれています。その他、肉や魚などの動物性食品には比較的多くの亜鉛が広く含まれています。
疾患が原因となっている貧血
疾患によって出血の量が増えていたり、正常な赤血球が作られないために貧血が引き起こされることがあります。
特に女性には女性特有の疾患があることで、貧血を招きやすいといえます。
婦人科系の疾患
婦人科系の疾患による過多月経や不正出血、長期の出血などの症状によって、出血量が増加して貧血を生じます。
貧血の症状の他に、多くは強い月経痛や月経不順などが伴います。
・子宮内膜増殖症
子宮内膜に類似した組織が腹膜や卵巣、卵管、腸などの子宮内腔以外の場所に形成される病気です。
20~40代の女性に多く、月経がある女性の10%に発症するといわれています。
長期の出血によって貧血を引き起こす可能性があります。
・子宮腺筋症
子宮内膜に類似した組織が子宮の筋層内に発生する子宮内膜症の一種です。
子宮がかたく肥大し、過多月経によって貧血を引き起こす可能性があります。
・子宮筋腫
子宮筋腫は良性の腫瘍で女性の30%にあるといわれおり、過多月経によって貧血を引き起こす可能性があります。
女性ホルモンに依存して腫大しますが、大きくなると月経量が多くなるとは限らず、小さくても筋腫の位置によっては過多月経の原因となることがあります。
・子宮頸がん
子宮頸部に発症する悪性腫瘍です。不正出血や過多月経による貧血を引き起こします。
・子宮体がん
子宮内膜に発症する悪性腫瘍で、近年患者数が増加しており、若い人にも発症します。
不正出血や過多月経による貧血を引き起こします。
その他の病気
骨髄の機能低下による再生不良性貧血や、骨髄の機能低下によって正常な血球が作れなくなる骨髄異形成症候群、白血病、多発性骨髄腫などの血液疾患によって貧血が引き起こされます。
また慢性腎臓病や関節リウマチ、甲状腺疾患などが原因で貧血を引き起こすことがあります。
他にも男性や閉経後の女性では消化管からの出血によって貧血を引き起こすことがあります。
消化管出血の場合は便に血液が混じっていたり、便が黒くなったりするこ都があり、自分でも気づくことができます。
原因のわからない貧血
高齢者の貧血の中には、原因のはっきりとわからないものもあります。
加齢に伴って男性ホルモンのテストステロンが減少することで起こる貧血や、潜在的な炎症などが原因として考えられますが、65歳以上の貧血のうち20~30%が原因のはっきりとしない貧血といわれています。
鉄不足以外の貧血のまとめ
鉄以外の栄養素の不足によって起こる貧血には、ビタミンB12や葉酸の欠乏によって生じる巨赤芽球性貧血があります。
また銅や亜鉛も正常な赤血球を作るために必要であるため、銅や亜鉛の欠乏によっても貧血を生じる可能性があります。
栄養素の不足の他、女性では女性特有の疾患によって、月経による出血量が増加して貧血を引き起こすこともあります。
他にも貧血を生じる可能性のある疾患はあるので、貧血だからといって単純に鉄の補給をすれば改善するとは限りません。
めまいや息切れ、動悸、強い疲労感など、貧血が疑われる症状が生じた場合は、医療機関を受診し、貧血の原因に応じた適切な治療を受けましょう。
貧血の中で、一般的に最も多いのは鉄欠乏性貧血です。
鉄欠乏性貧血では鉄を補給することで症状は改善します。鉄だけではなくお食事全体のバランスが良いことは健康の維持にとってとても大切なことです
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