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子宮筋腫について~成人女性の4~5人に1人

作成日:2022年5月29日

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子宮筋腫について~成人女性の4~5人に1人

子宮筋腫は子宮にできる良性の腫瘍(こぶ)であり、成人女性の4~5人に1人は子宮筋腫があると言われています。

良性であるためすぐに治療しないと命の危険がある、というものではありませんが、不妊や流産の原因になることもあります。このページでは、子宮筋腫について解説します。

子宮筋腫とは?

子宮筋腫は子宮の壁にできる良性の腫瘍です。小さいものを含めると30歳以上の20~30%にみられます。

子宮筋腫ができる原因はまだはっきりと解明されていませんが、女性ホルモン*の1つである「エストロゲン」が筋腫を大きくすることに関係していると考えられています。

子宮筋腫は複数個できることも珍しくなく、筋腫の大きさやできる場所によって症状が異なります。

子宮筋腫の主な症状は過多月経と、月経痛です。不正出血を伴うこともあります。

月経量が増えることにより貧血となることもあります。その他に、筋腫が他の内臓を圧迫することによってお腹の張りや腰痛、便秘、頻尿、尿が出にくくなるなどの症状がみられることもあります。

また、子宮筋腫があると子宮の内膜に凹凸ができるため、受精卵が着床しにくくなり、不妊や流産の原因になることもあります。

筋腫が大きくなると、悪性の子宮肉腫と区別が難しくなります。

筋腫は命に関わることがない良性腫瘍ですが、筋腫が見つかった場合は放置せずに定期的に健診を受けることが大切です。

*女性ホルモン…エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)の2種類を指します。

エストロゲンは月経の終わりごろから排卵にかけて多く分泌され、子宮内膜を厚くしたり、子宮を発育させたりする機能があります。

また、コラーゲンの生成を促したり、血圧を下げたりする作用や、破骨細胞の働きを抑える働きをします。

プロゲステロンは排卵後に分泌されるホルモンであり、受精卵が子宮の内膜に着床するのを助け、妊娠後は妊娠を継続させるために必要となります。

この2種類のホルモンは、月経周期に合わせて分泌量が変化しており、女性の心や身体の調子に大きく影響しています。

子宮筋腫の種類

・筋層内筋腫

子宮筋の中にできる腫瘍で、筋腫全体の70%がこれにあたります。大きさは、大豆大~こぶし大まで様々であり、複数個できることもあります。

筋腫が小さければ症状はほとんどありませんが、大きくなると過多月経となることもあります。

・漿膜下筋腫

子宮表面を覆う漿膜の下にできる筋腫です。茎のように伸びる筋腫ができることもあります。

症状はほとんど出ないことが多い筋腫ですが、茎の部分にねじれを生じると筋腫への血流が途切れて激痛が起こり、場合によっては壊死することがあります。

・粘膜下筋腫

子宮内膜の下にできる筋腫です。この筋腫にも茎ができることがあり、長く伸びると子宮口から膣内に飛び出すこともあります。

過多月経となり、貧血を引き起こすことが多い筋腫です。

・多発性筋腫

一度に色々な種類の筋腫ができることを多発性筋腫といいます。

子宮筋腫の治療法とは?

子宮筋腫が小さく、無症状の場合は治療を行わずに定期的に健診を行って経過観察をします。

症状が出たり筋腫が10㎝以上の大きさになったりした場合には、薬物療法や手術療法を行います。

薬物療法では、過多月経や月経痛がある場合には症状を軽くする対症療法を行います。症状の緩和には月経量を減らす低用量ピルが用いられます。

プロゲステロンという女性ホルモンが含まれるピルを使うと、エストロゲンの働きを抑制するため、筋腫が大きくなるのを防ぐ効果があります。

また、GnRHアゴニストという薬を使うと、エストロゲンの分泌を少なくして偽閉経状態にすることで筋腫を小さくすることができます。

ただし、この治療法では骨量の低下や、更年期様症状といった副作用がみられることがあります。

手術療法は子宮筋腫を根治することができる治療法で、腹腔鏡や子宮鏡を用いて開腹せずに筋腫を取り除くことができます。

悪性の疑いがある場合や、今後の妊娠を望まない場合は子宮全摘手術が行われることもあります。

さらに近年では、メスを使わずに腫瘍を小さくすることができる治療法もあります。1つは、超音波を使って筋腫を焼く治療です。

もう1つは、子宮内の血管を薬で閉塞させ、筋腫に栄養や酸素が行き渡らないようにすることで筋腫を小さくさせる方法(子宮動脈塞栓術)です。

どちらも手術よりも侵襲が少ないというメリットがありますが、子宮を残すため再発の可能性があります。

子宮筋腫は、閉経とともに必ず小さくなるため、閉経が近い年齢の場合は治療を行わずに、閉経を待つ、という選択肢もあります。

子宮筋腫と似ている病気とは?

・子宮腺筋症

子宮腺筋症とは、子宮内膜に類似した組織が子宮の筋層内にできることで子宮内の壁が厚くなり、子宮全体が大きく鳴る良性の病気です。

子宮腺筋症は子宮筋腫同様に女性ホルモン(エストロゲン)の影響で大きくなり、月経痛や月経方などの症状をきたします。

出産経験のある30代後半から40代に多くみられます。

子宮腺筋症は、内膜組織が筋層全体に広がり、子宮全体が大きくなる「びまん型」と、筋層の一部に集中して大きくなる「局所型」があります。

特に局所型は子宮筋腫の筋層内筋腫と見分けが難しいため、MRI検査で判別します。

・子宮内膜症

子宮内膜症は、本来であれば子宮の内側の壁を覆っている子宮内膜の一部が子宮の内腔以外の場所で増殖する病気です。

卵巣や腹膜、子宮の壁の中などで発生し、月経周期の度に出血するため、炎症や癒着が起こり、強い月経痛を伴います。

卵巣に子宮内膜組織が発生し、経血が卵巣内でたまり続けると、チョコレート嚢腫という嚢胞ができることもあります。

稀に悪性化することもあり、定期的な観察が必要です。子宮内膜症は20代から40代の幅広い年齢層に多くみられます。

・子宮肉腫

子宮肉腫は、子宮筋層にできる悪性腫瘍(がん)です。子宮がん(体がん・頸がん)と比べると非常に稀な病気ですが、悪性度が高いため治療が遅れると命を落とす危険性があります。

子宮筋腫と区別がしにくく、初期では両者とも自覚症状があまりないため、精密検査をして区別をする必要があります。

子宮筋腫は閉経すると縮小していく一方、子宮肉腫は閉経後も大きくなっていくという特徴があります。

子宮の内腔に向かって大きくなっていく肉腫は、比較的早期に不正出血をきたし、検査で悪性の診断が得られることもありますが、筋層内や内膜の間質という部分にできる筋腫は、通常の子宮内膜の検査で病変を採取することができません。

そのため、子宮筋腫として手術を行った際に病理検査で肉腫だと判明することも珍しくありません。

子宮肉腫の治療法は子宮全摘手術が最も効果的です。進行している場合には、抗がん剤を使った化学療法や、放射線治療などを組み合わせて行うこともあります。

まとめ

子宮筋腫は子宮の壁にできる良性の腫瘍で、珍しくはない病気です。

小さくて無症状のうちは経過観察となりますが、症状が出たり、筋腫が大きくなったりすると手術の適応となります。

筋腫と判別が難しい病気の中には悪性腫瘍もあるため、定期的に婦人科検診を受けることが大切です。

健康の維持・増進には、毎日の食事が大切です。

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この記事の作成者:A.N(看護師)
この記事の提供元:シルバーライフ

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