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キリキリと痛む胃痛の予防と対策~原因によって対処も違う

作成日:2022年4月18日

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キリキリと痛む胃痛の予防と対策~原因によって対処も違う

一言で胃痛といっても「ズキズキ」「シクシク」「キリキリ」など、いろいろな表現があります。

胃痛の発生する原因はさまざまで、受診の際にもどこがどのように痛むのかを適切に説明できると、医師の正確な診断に役立ちます。

胃痛とは

みぞおちの周辺に起こる痛みや不快感などの症状が胃痛です。

さまざまな原因で胃粘膜に異常が起きている場合や、病気の症状として胃痛が生じることがあります。

胃痛が起きる仕組み

胃液はそのほとんどが水分で、ほかに胃酸とペプシン、胃粘液の3つの成分で構成されています。

胃酸はpH1~2の強酸で食べ物を消化するために必要なだけではなく、食べ物と一緒に侵入した細菌のほとんどを殺菌します。

ペプシンは主にタンパク質を分解する消化酵素であり、胃粘液は胃の粘膜を覆って胃酸やペプシンから胃を守っています。

通常は胃酸と胃粘液の分泌量は自律神経の働きによって適正なバランスが保たれていますが、何らかの原因で胃酸の分泌が促進されたり胃粘液の分泌が減少してバランスが崩れると、胃粘膜が直接胃酸の刺激を受けて傷み、胃痛が生じることがあります。

胃痛の原因

・ストレス

胃痛の原因として「ストレス」が挙げられることがよくあります。

胃を含む消化器官の働きは自律神経によって調整されていますが、強いストレスを受けることで自律神経のバランスが乱れ、胃酸が過剰に分泌されたり、胃の血流が減少して胃粘液の分泌が減少することによって胃に炎症や潰瘍が生じ、胃痛が起こります。

・食事

暴飲暴食、脂肪の多い食品や油っこい料理などをたくさん食べることで胃酸の分泌が過剰となって胃粘膜を傷つける可能性があります。

唐辛子など刺激の強い香辛料やアルコールも同様に、摂り過ぎには注意が必要です。

・ピロリ菌感染

ヘリコバクター・ピロリ菌に感染するとピロリ菌によって粘膜が傷つけられて胃痛が起こります。

本来胃の中は強酸性なので細菌は生息できませんが、ピロリ菌は自分の周囲をアルカリ性に変化させる仕組みを持っており、強酸性の胃の中でも生育できます。

ピロリ菌がさまざまな分解酵素を産生することで胃粘膜が傷つくと考えられており、胃潰瘍や胃がんの原因となる可能性があります。

胃痛を伴う病気

短時間で治まり、一時的な症状で繰り返さない胃痛の場合は、市販薬などで様子をみるのもひとつの選択肢ですが、長時間痛みが続いたり長期間くり返している胃痛、決まった状況下で日常的に起きる胃痛、発熱や下痢・嘔吐などの症状が伴う胃痛の場合には医療機関の受診が必要と考えられます。

逆流性食道炎

逆流性食道炎とは胃酸が食道に逆流することで食道に炎症が起きる病気です。

胸やけや食後の胃痛、酸っぱいものがあがってくるような不快感が主な症状です。

中高年から高齢者に多く、食べ過ぎや早食いの人では胃内圧の上昇によって逆流が起こりやすくなります。

また脂肪の多い食品の摂り過ぎは下部食道括約筋が緩む原因となり、逆流が起こりやすくなります。

胃潰瘍、十二指腸潰瘍

胃粘膜または十二指腸の粘膜が胃酸によって傷つき炎症が起きる病気です。

胃潰瘍では食事中から食後に胃痛が起きることが多く、十二指腸潰瘍では空腹時に痛みが起こることが多いようです。

胃もたれや胸やけ、食欲不振、嘔気などを伴うこともありますが、自覚症状に乏しい人もいて、潰瘍が進行すると出血や穿孔が生じることもあります。

機能性ディスペプシア

胃の痛みや胃もたれなどの症状が継続しているにもかかわらず、内視鏡検査などでも異常がみつからない病気です。

胃は食物をためて十二指腸へ送り出す機能がありますが、何らかの原因(ストレスや暴飲暴食、生活習慣、アルコールなど)によって胃の機能に異常が生じ、症状が起きていると考えられています。

少し食べただけでお腹がいっぱいになる早期飽満感や食後の胃もたれ、みぞおちの痛みや灼熱感などの症状があります。

胃痛の予防と対策

胃腸薬の種類

胃腸薬には病院で処方される医薬品と、処方箋なしで薬局やドラッグストアで購入できるOTC医薬品があります。

症状が軽く受診するほどではない場合には、薬局やドラッグストアの薬剤師や登録販売者に相談して症状に合った胃腸薬を利用してみるのも選択肢のひとつです。

市販の胃腸薬をしばらく使用しても症状に改善がみられない場合には、医療機関を受診しましょう。

・ヒスタミン(H2)受容体拮抗剤

H2ブロッカーとも呼ばれます。

ヒスタミン(H2)受容体を阻害し、胃酸の分泌を抑制する作用があります。第1類医薬品に分類され、原則として薬剤師のいる店舗で購入できます。

・ムスカリン(M1)受容体拮抗剤

M1ブロッカーとも呼ばれます。

ムスカリン(M1)受容体を阻害し、胃酸の分泌を抑制する作用があります。

第2類医薬品に分類され、薬剤師がいない店舗でも購入することができます。

・制酸剤

過剰な胃酸を科学的に中和し、胃を保護する働きがあります。比較的即効性が期待できる胃薬です。

・鎮痛鎮痙剤

胃腸の異常な緊張を緩和し、痙攣を抑える作用があります。

胃が痛いときの食事

胃が痛くて食欲がないときは無理に食事を摂らずに、胃を休ませましょう。

ただし脱水症状を引き起こさないよう、少しずつこまめな水分補給は必要です。

熱過ぎたり冷た過ぎるものは避け、白湯やスポーツドリンク、塩分を控え具を除いたみそ汁やスープなどを少量ずつ飲むようにしましょう。

不快症状が軽減して食欲が出てきたら、消化の良い食品を少量食べてみましょう。

おかゆや煮込んだうどんなどがよいとされていますが、油っこいものや繊維の強いもの、辛いもの、酸っぱいもの(酢やフルーツ類)などを避けたうえで、その時に食べたいと思ったものを少量、よく噛んで食べてみます。

その後不快症状がなければ、徐々に普通の食事に戻していきましょう。

胃痛を防ぐ生活習慣

胃の不快症状を起こしやすい人は、食事を含む生活習慣にその原因があることが少なくありません。

・暴飲暴食、早食いをしない

脂肪の多い食品や油っこいものを食べ過ぎると胃酸の分泌が促進され、胃に負担となります。日ごろから腹八分を心がけるようにしましょう。

早食いの人はよく噛んでいなかったり食べ過ぎる傾向があります。

よく噛むことで食品が小さくなるだけではなく、唾液に含まれる消化酵素と食品がよく混ざってから胃に到達することで消化を助けることができます。

・ストレス解消

ストレスを感じ、それを我慢すると胃酸の分泌が過剰になり胃痛を引き起こすことがあります。

スポーツや趣味などで上手に気分転換を図って、ストレスを解消しましょう。

・十分な睡眠

胃の働きは自律神経によって調整されています。

睡眠不足や不規則な生活によって自律神経のバランスが崩れると、胃にも悪影響を及ぼす可能性があります。

自律神経のバランスを整えるためには規則的な生活が理想的であり、できるだけ毎日同じ時間に起床・入眠することもこころがけましょう。

・辛いもの、アルコールを摂り過ぎない

辛いものやアルコール、カフェインなどは胃の粘膜が直接刺激されて胃痛を引き起こすことがあります。

極端に熱いものや冷たいもの、塩分の強いものも胃への刺激が強いので注意が必要です。

・禁煙する

喫煙によって胃粘膜にある血管が収縮して血流が悪くなり、胃粘膜の抵抗力が低下します。

さらに胃酸の分泌を促進するため、胃痛を引き起こしやすくなります。喫煙の習慣は常にその状態が継続しているため、胃痛の症状を悪化させる恐れがあります。

まとめ

何らかの原因によって胃酸の分泌が過剰になったり、胃粘液の分泌が減少することで胃粘膜が傷つくと胃痛が起こります。

一時的な胃痛の場合は市販薬を利用するのも選択肢のひとつですが、市販薬では改善しなかったり、長期間にわたって繰り返すような胃痛の場合には医療機関を受診しましょう。

胃痛の原因には食習慣も大きく影響しています。

バランスの整った食事をよく噛んで食べることは胃を守るためにも役立ちます。

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この記事の作成者:S.M(管理栄養士)
この記事の提供元:シルバーライフ

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