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意外と多い初夏の熱中症予防と暑さ対策について

作成日:2022年4月18日

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意外と多い初夏の熱中症予防と暑さ対策について

熱中症というと、真夏の炎天下に起こりやすいイメージがありますが、実際には4月にも熱中症で救急搬送される人が出ています。

まだ暑さに体が慣れていない時期には、気温の上昇に体が適応できず、熱中症になることがあります。

熱中症とは

熱中症は高温多湿の環境で体温の調節機能がうまく働かなくなり、体内に熱がこもった状態です。

熱中症が起こる仕組み

人の体内では常に熱が産生されていますが、体を動かすと筋肉でたくさんの熱が産生されて体温が上昇します。

また体を動かさなくても、暑い環境にいると体温は上がります。

体温が上がると体表面の血流量を増やして熱を逃がしたり(熱放散)、汗をかくこと(気化熱)で体温を適切に調整します。

気温や湿度が高い環境下で体内の熱を外に逃がすことができなくなったとき、体内に熱がこもって体温が上昇します。

人の体は体温が高くなることで適正に機能しにくくなり、大量の発汗で水分やナトリウムが失われることによって、さまざまな症状が引き起こされます。

熱中症になりにくい体のために必要な「暑熱順化」

暑熱順化(しょねつじゅんか)とは、体が暑さに慣れることです。

暑い日が続くようになると体は徐々に暑さに慣れ、暑さに対応できるようになります。

人は体温が上がると汗をかいたり、皮膚の血管を拡張して体表面から熱を逃がすことで体温を調節しています。

暑熱順化ができている体では、暑さを感じるとスムースに皮膚からの熱放散が促進され、発汗による気化熱で体温を下げます。

また汗に含まれる塩分が少ないためナトリウムを失いにくく、熱中症になりにくいと考えられます。

反対に暑熱順化ができていない体では、皮膚からの熱放散が少なく汗に含まれる塩分が多いため、ナトリウムを失いやすいことで熱中症のリスクが高まるといえます。

熱中症になりやすいタイミング

本格的な夏を迎える前の時期は体が暑熱順化ができていない可能性があり、熱中症のリスクが高い時期といえます。

感染症予防のため外出する機会が減少している昨今ではさらに、体が暑さに対応しにくくなっている可能性もあり注意が必要です。

・5月の暑い日

近年は特に梅雨入り前の4~5月でも急に気温が上がり、最高気温が25℃以上の夏日や30℃以上の真夏日と呼ばれる日があります。

1日のうちの寒暖差や前日との気温差が大きい時期でもあり、暑熱順化ができていないことで熱中症のリスクが高いと考えられます。

・梅雨の晴れ間~梅雨明け

梅雨時期は雨の日は気温が下がって肌寒く、晴れると真夏のような暑さになることもあります。

梅雨の晴れ間は湿度も高くなるため、熱中症を引き起こしやすい気象条件といえます。

梅雨が明けると徐々に気温の高い日が続くようになりますが、暑熱順化が十分でないことで熱中症による救急搬送車が急増します。

暑熱順化のためにできること

体を暑さに慣れさせておくことで、熱中症のリスクを下げることができます。

実際に気温が上がってくる前に、無理のない範囲で汗をかく機会を作りましょう。

暑熱順化した体でも、数日間で元に戻ってしまうこともあります。適度に汗をかくことを習慣にできるのが理想的です。

・ウォーキング、ジョギング、サイクリングなど

少し汗をかく程度の運動をしましょう。

ウォーキングは30分、ジョギングは15分、サイクリングは30分を、週3~5日行うのが目安です。

わざわざ時間を設けなくても、通勤や買い物のときなどを利用すると無理なく続けることができます。

・入浴

シャワーだけではなく、湯船にお湯をためて入浴しましょう。

入浴の前に十分な水分を摂り、40℃のお湯に15分を目安に、じんわりと汗をかくまで浸かりましょう。

炭酸発砲系の入浴剤はお湯の中に二酸化炭素の泡を生じますが、この泡には血管を拡張する効果があり血流を促よくして発汗を促すので、汗をかきにくい人にも有効です。

熱中症になりやすい人

・子ども

特に乳幼児では体温調節の機能が未発達であり、体内に熱がこもりやすく、体温が上がりやすいことがあります。

また体重に比べて体表面積が広いため外気温の影響を受けやすく、身長が低いことで地面の照り返しの熱も強く受けるため、大人が感じるよりも暑い環境にいると考える必要があります。

・高齢者

高齢者はもともと体内の水分量が少なく、暑さやのどの渇きを感じにくいことがあるため熱中症になりやすいといえます。

屋外だけではなく、室内でも徐々に熱中症が進行していることがあるため注意が必要です。

心臓や腎臓などに持病がある場合は、より重症化のリスクが高まります。

・肥満傾向のある人

肥満傾向のある人は体を動かすために多くの熱を発生し、皮下脂肪が多く体内の熱を放散しにくいことがあるため、年齢にかかわらず注意が必要です。

特に生活習慣病など持病のある場合は、重症化するリスクも高くなります。

・体調不良時

疲れがたまっていたり、寝不足や二日酔いなどで体調がすぐれないときには、体温調節の機能が正常に働かない可能性があるため、熱中症に注意が必要です。

熱中症の予防と対策

初夏の熱中症を予防は一般的な熱中症対策に加えて、気温差に対応できる工夫も必要です。

初夏の熱中症予防

・汗をかく習慣を作る(暑熱順化)

運動や入浴など日常生活の中で、無理のない範囲で汗をかく習慣を作り、体を暑さに慣れさせましょう。

・こまめな水分補給

日ごろから、こまめに水分を摂ることをこころがけましょう。

短時間に汗を大量にかくような環境下ではスポーツドリンクや経口補水液など、塩分や糖分を含む飲料を利用しましょう。

ただし、持病の治療のため医師から塩分や水分の摂取について指示がある場合は、熱中症予防のための水分補給についても医師の指示を受けておくようにしましょう。

・天気予報をチェックする

1日の気温差や湿度などにも注目して天気予防をチェックし、1日の行動予定を考えるようにしましょう。

・脱ぎ着できる服装

朝晩は肌寒くても、日中は真夏のように気温が上がることがあります。

脱ぎ着しやすい服装を選び、下着には吸水性や速乾性のある素材のものを選ぶのも効果的です。

熱中症になってしまったら

・熱中症の初期症状

めまいや立ちくらみ、頭痛、顔がほてるなどの症状は熱中症のサインのひとつです。

また手足の筋肉がつる、けいれんするなどの症状がある場合も、速やかに涼しい場所に移動して、スポーツドリンクや経口補水液などを利用して水分補給をしましょう。

・体を冷やす

衣服を緩めたり脱がせたりして体温が下がりやすくし、風を送りましょう。

保冷剤や水で濡らしたタオルなどが用意できれば、わきの下や足のつけ根、首などに当てて体を冷やします。

・医療機関へ相談

体を冷やし、水分補給をして体調が回復すれば、多くの場合で熱中症の重症化は回避できたと考えられますが、念のため医療機関に相談または受診をしましょう。

症状が回復しない、自力で立ち上がれない、呼びかけに反応しないなどの場合は、躊躇せず救急車を呼びましょう。

また嘔吐したり自力で水分が飲めない場合は無理に飲ませることはせず、すぐに救急車を呼びましょう。

まとめ

初夏は天候が変化しやすく寒暖差が激しいことに加え、まだ体が暑さに慣れていない(暑熱順化ができていない)状態であるため、熱中症のリスクが高いと考えられます。

日ごろから汗をかく習慣を持つことで体が暑熱順化し、暑さに対応できる体になります。

気候が不安定で気温差の大きい初夏の時期には、天気予報を確認し衣類や行動予定の調整をしましょう。

小さな子どもや高齢者は特に、自分で水分補給や衣類の調整が難しいことがあるため、周囲の人が気にかけることが大切です。

熱中症を防ぐためには、良い睡眠や栄養バランスの良い食事など、日ごろの体調管理も重要です。

気温が高くなってくると、長い時間火を使う料理を避けたりさっぱりとした献立に偏りがちになり、栄養バランスが崩れることがあります。

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この記事の作成者:S.M(管理栄養士)
この記事の提供元:シルバーライフ

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