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冬でも注意!?脱水症の治療や予防

作成日:2022年2月24日

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冬でも注意!?脱水症の治療や予防

脱水症は夏だけ気を付ければいいと思っていませんか?

冬は空気が乾燥しやすいため、自覚がないままに皮膚や粘膜、吐く息から水分が失われていきます。

また、汗をかいても自覚しにくいため、夏場よりも水分を摂取する量が少なくなってしまうことから、冬でも脱水症を起こす可能性があるのです。

このページでは冬の脱水の原因や症状、予防方法などについて解説します。

冬でも脱水症になる?

人間の身体は約60%が水分を占めています。

体内の水分が減少した状態を脱水症といい、高度の脱水症になると命に関わることもあります。

通常は、脱水傾向になると喉が渇いて水が飲みたくなったり、腎臓の体内の水分量を調節する機能が働いたりして高度の脱水症とならないようになっています。

脱水症と聞くと、汗が多く出る夏に多いという印象がありますが、実は冬にも脱水症になる可能性はあるのです。

人間の身体は、尿や大便の他にも皮膚や粘膜、吐く息によって水分を身体から1日に約2.5L排出しています。

尿や大便によって排出される水分量は焼く1.6Lであり、皮膚や粘膜、吐く息から失われる水分量(不感蒸泄)は、安静時で一日に約0.9Lと言われています。

この不感蒸泄は湿度が低い環境ではさらに増えることが分かっており、気温と湿度が下がり乾燥しやすい冬場は、気付かないうちに身体から水分が失われています。

特に高齢者は、若い頃に比べると体内の水分量は10%程度減少するため、元々身体に蓄えられている水分量が少なく、脱水症を起こしやすくなります。

他にも高齢者が脱水症を起こしやすい理由に、加齢とともに喉の渇きを感じにくくなることや、飲んでいる薬の影響、食欲不振や嚥下の問題、運動能力や認知機能の低下などがあります。

脱水症の症状

・喉が渇く
・皮膚の乾燥
・唾液の減少
・倦怠感
・やる気や活力の低下
・頭痛
・めまいや立ちくらみ
・尿量や回数の減少。
・筋肉の痙攣
・脈拍が早くなる
・吐き気
・意識障害
・重度の低血圧 など

脱水症の治療法とは?

脱水症の重症度は、健康時の体重の3~5%の体液が失われた状態を軽度、6~9%を中等度、10%以上を重度と判定します。

脱水症の治療では不足した水分と電解質を補充することが肝心です。

口から水分が摂れるのであれば経口補水液を飲むことで水分と電解質の両方を補うことができます。

しかし、重度の脱水症や自力で水分が摂れない場合には点滴で水分を補給することもあります。

脱水症を予防するには?

・室内の湿度を50~60%程度に維持する。

室内の乾燥を予防するためには、加湿器の使用が有効です。

加湿器がない場合は、濡れタオルや洗濯物を室内に干す、植物を置く、エアコンや電気ストーブではなく石油ストーブを使う、部屋を水拭きするなどといったことが部屋の湿度を上げる効果があります。

・こまめに水分補給を行う。

水分は1日に1,000~1,500ml程度必要です。喉が渇いていなくても、こまめに水分補給をするようにしましょう。

日常生活での脱水症予防の場合は、スポーツドリンクや経口補水液ではなく、水で十分です。

スポーツドリンク等は塩分や糖分が多く含まれているため、飲み過ぎるとエネルギーの過剰摂取や血糖値が急上昇するおそれがあります。

また、水分は一度に多く摂取しても身体はうまく吸収することができません。

そのため、1回200ml程度の水分をこまめに摂取する必要があります。

高齢者に多いのが、寝た後にトイレが近くなるからといって水分を意識的に制限してしまうことです。

脱水症に陥ると血液の流れが悪くなるため、血栓ができやすくなり、脳梗塞や心筋梗塞といった病気を発症するリスクが高くなります。

夜間のトイレの回数が多く悩んでいる方は、日中に意識して多めに水分を摂り、寝る前は3時間前までにする、など排泄パターンに合わせた工夫をしましょう。

・寝る時は暖房をつけっぱなしにしない。

身体の水分は寝ている時も失われていきます。

寝る前に暖房器具で寝室や布団を温めておき、寝る直前になったら電源は消すようにしましょう。

・水分の多い食べ物から水分補給をする。

私たちは食事からも1日に約1Lの水分を摂取していると言われています。

高齢者の場合、飲み物から水分を十分に補給することが難しい場合もあるため、食事から水分を補給することをおすすめします。

普段食べている他にも、汁物や果物、ヨーグルトなど水分の多い食べ物をメニューに取り入れてみましょう。

水分補給で避けるべき飲み物

・ジュース、スポーツドリンク、経口補水液

糖分の多い飲み物を常飲することで、血糖値が急上昇し、さらに喉が渇いてしまう悪循環に陥るペットボトル症候群と呼ばれる病態に陥るおそれがあります。

清涼飲料水には500mlあたり30~50gもの糖分が大量に含まれているものもあり、糖分を一気に摂取することにより糖尿病の急激な発症、悪化をきたします。

飲み物に含まれる糖分(500mlあたり)

種類 砂糖の量
コーラ 56.5g
サイダー 52.5g
コーヒー飲料 44.8g
100%オレンジジュース 55g
エナジードリンク 53.5g
乳酸菌飲料 56g
野菜ジュース 40.5g

・コーヒー、紅茶、お茶

利尿作用のあるカフェインが含まれています。水分補給のために飲むのであれば、無糖でノンカフェインのものを選びましょう。

・アルコール

アルコールには利尿作用があることや、分解するための過程で水分が必要となることなどから、水分補給には向いていません。

特にビールは利尿作用が強く、1Lのビールを飲むと、1.1Lの水分が身体から排出されると言われています。

スポーツドリンクと経口補水液の違いとは?

市販されているスポーツドリンクと経口補水液はどちらも水分と電解質を補うための飲み物です。

経口補水液のほうがスポーツドリンクと比べると塩分などの電解質が多く、糖類が少なく、身体により早く吸収されます。

また、スポーツドリンクには、安静時に吸収されやすい「アイソトニック」飲料と運動中や運動直後に吸収されやすい「ハイポトニック」飲料の2種類があります。

水分は浸透圧によって濃度の低い方から高い方に移動しやすく、運動中に汗をかくことで身体の浸透圧は下がります。

そのため、体液よりも薄い濃度の「ハイポトニック」飲料の方が速やかに吸収されやすくなります。

「アイソトニック」飲料は、人間の体液と同じ濃度であるため、糖分や水分が体内にゆっくりと浸透します。

日常生活の中で発汗などによって失われた水分と電解質の補給にはスポーツドリンク、軽度から中等度の脱水症の場合には経口補水液と、状態に合わせて使い分けすると効果的に水分と電解質を補給することができます。

脱水症についてのまとめ

冬は身体から水分が失われても自覚症状に乏しいため気が付かないうちに脱水症状になりやすくなります。

特に高齢者の場合は、喉の渇きを感じにくくなり水分の摂取量が不足がちとなってしまうため、意識して水分を摂るようにしましょう。

心臓や腎臓の病気などの持病がある場合は、水分を過剰に摂取してしまうと身体に負担がかかります。

必ず医師の指示を守り、必要以上に水分を摂らないようにしましょう。

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この記事の作成者:A.N(看護師)
この記事の提供元:シルバーライフ

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